
富山市月岡にある「ギャラリーカフェ遊さん」の窓際のステージに弦楽四重奏団が並んでいます。この演奏者たちは、和紙で作りました。「いい感じにできていますね」と、見た人からはお褒めの言葉が届いています。
私が和紙人形をつくろうと思ったのは、去年の八月でした。富山の八尾で「おわら風の盆」が九月に開かれます。コロナ感染で三年ほど自粛していましたが、今年は開催することになりました。
何か記念になるものを作ろうと思い立ち、和紙人形で踊り子を作ることにしました。
と言っても、作り方は全く知りません。先ずは、有名な和紙人形作家の写真集を取り寄せ調べるところから始めました。
石垣駒子さんの作品集に和紙人形の作り方が紹介されていましたので、それを模倣するところから始めました。
私の第一号の作品です。

作り方を一応理解したところで、おわら人形に挑戦しました。
仕上げた作品です。

作ってみて感じたことは、作品の背丈が大きく、踊り子の動きが少ないということでした。
おわら踊りの女性のしなやかさや男性の力強さを表現するには、駒子人形の作り方とは異なる作り方が求められました。
木村藤さんの「和紙で作る日本のわらべと西洋の子供達」の本には、頭部を別に作り後から胴体部分に差し込む、腕、足の芯には針金を使う方法など和紙人形の異なる作り方が紹介してありました。
その方法も取り入れておわら人形を仕上げました。
仕上げたおわら風の盆人形



作品は粗削りで、手や足の表現はイマイチでした。顔に鼻と耳をつけるのが精いっぱいでした。
作るのが楽しくなり、アニメに登場する主人公たちも作ってみたくなり挑戦しました。



手足の指も表現できるようになってきました。

富山市猪谷関所館で、私の描いた神通峡の水彩画を展示してもらえることになり、その脇に猪谷地域の獅子舞の様子を和紙人形で作っジオラマを並べたらおもしろいのではないかと考え、作り始めました。
YouTubeに流れている猪谷地域の獅子舞の動画を参考にして、人形を仕上げました。
猪谷地域の獅子舞








この和紙人形たちは、2月4日から富山市猪谷関所館で開かれる企画展「旧飛騨街道 ふるさと絵画展」で、展示されます。
年が明けても、私は和紙人形作りに熱中しています。
いろんな人の和紙人形の作り方をネット検索して学んだり、独自に工夫したりして、作り方もかなり進化しています。今は頭部には、紙粘土を使うようになり、細かい細工ができるようになりました。目鼻口なども色をつけるようにしました。
人形作りで有名な作家である中西京子さん、与勇輝さん、森小夜子さん、高橋まゆみさんの作品集も大変参考になりました。
長野県飯山市にある高橋まゆみ人形館にも見学に行きました。
現在の私の和紙人形の作り方を紹介します。
人形作りの道具(ほとんど百円ショップで揃います)
材料 和紙(書道半紙) 、紙粘土、針金(手で曲げられる細いもの)、脱脂綿
頭部の作り方(基本的には駒子人形の頭部の作り方)
脱脂綿と和紙

丸めた脱脂綿を真ん中に置き、両サイドにボンドをつける

脱脂綿を包むように棒状に巻く

棒を折り曲げ、芯の針金を入れて巻く

頭部の基本部分
基本になる胴体、手、足の作り方針金を四本切ります。
私は、背丈が頭部を入れて12センチくらいの人形を作っています。
一番長い針金は、足の部分で、15センチくらいです。
次の2本は、腕の部分で、6センチくらいです。
一番短いのは、頭部の芯で、4センチくらいです。

針金にボンドを塗り、脱脂綿をうっすらと巻くと、扱いやすくなります。

写真は、脱脂綿を巻いた針金です。

胴体です。少し厚い紙を鉛筆に巻いて、筒状にします。鉛筆代の空洞を作るのは。後で頭部を差し込むためです。長さは10センチくらいです。


足になる針金を半分に曲げ、胴体になる筒状の紙を折り曲げて挟み込みます。

胴体、腕、足の芯になる基本形です。
手の作り方和紙でこよりを作ります。太さは、直径1ミリほどです。

作ったこよりを1センチくらいの長さに切ります。これは指になります。

2センチ四方の和紙に切った指をボンドで接着します。

指を包み込むようにして、手のひらの形にしていきます。

手のひらと腕の針金を接着して腕を仕上げます。

頭部の基本形に紙粘土をつけて仕上げた頭部、胴体、足、手が揃いました。

この基本形を利用して、和紙人形を作っています。
最近の作品から










今はアトランダムに和紙人形を作っていますが、テーマを決めて作ることが大切だと思います。現在、テーマを模索しているところです。




