やがて、人たちが去り、辺りは静かな闇に包まれた。私も寝袋にもぐりこんで深い眠りに落ちていった。
午前4時過ぎ、車のエンジン音で目が覚めた。窓の外に三脚を担いだ人の姿が見える。夜明けの来島海峡を撮りに来たのだろう。しだいに辺りは明るくなり、向かい側の島の空が赤くなり始めた。太陽があの辺りから昇るのだろう。5人ほどの人がカメラを構え、日の出の瞬間を狙っている。
やがて赤い太陽が顔を出した。橋も海もオレンジ色に輝き、私にはとても美しい風景に見えたのだが、シャッターを切ったカメラマンはいなかった。写真家が狙う日の出は、ありきたりの日の出はないようだ。

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