午前7時、カップラーメンで朝食を終え、お参りの準備を始める。納め札に氏名と住所を記入する作業である。その日巡るお寺の分だけ納め札を事前に用意しておく。これは、旅に出てから欠かさずやっている。しかし、この作業は結構時間が掛かる。今日巡るお寺を地図で調べたら、88番札所まで残り23寺である。長かったお遍路も、もうすぐ終了しそうだ。今日は6寺分の納め札を用意した。
朝霧で霞む「道の駅マイントピア別子」を後に、愛媛県最後の札所「三角寺」へ向って出発した。今日は日曜日。お寺は、たくさんのお遍路さんで賑わうことだろう。
伊予三島の街中に入った所で道に迷い、うろうろしていたら、幸運にも、お遍路さんを乗せた観光バスが通りかかった。それからはその観光バスを道案内にして後ろを走り、無事、三角寺に到着した。日曜日は観光バスもたくさん走っているのだ。
三角寺という名前が面白い。お寺の屋根が三角なのだろうか。実は、このお寺の名前は、「弘法大師が三角形の護摩壇を築いて、21日間降伏護摩秘法を修した」というところから付けられたということである。
お参りは、旅人を案内した観光バスの団体さんと一緒になった。ローソクや線香を立てるのも、納め札を入れるのも行列ができている。お坊さんの「ではみなさん元気に般若心経を上げましょう」の大きな号令には驚いた。大きなお経が狭い境内にこだましている。迫力満点の般若心経だった。
大師堂の横に立っている巨大な地蔵尊をスケッチした。かすかに微笑みながら、お参りに来る人たちの幸せを祈っているように旅人には見えた。

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