
比叡山延暦寺西塔 釈迦堂
昼食を終え、延暦寺西塔へ行った。駐車場には、結構車が止まっている。見学するには拝観券を購入しなくてはならないようだ。共通券は千円だった。そこから少し行った所にお寺の入口があり、係りの人が拝観券をチェックしていた。拝観券を見せていると、そこへリュックを担いだ人たちがやって来た。この人たちもお参りに来たのかなと思っていたら、「歩く人はここは通れません。下の道を通って下さい」と係りの人が迷惑そうな顔で「あっちです」と下にある道を指差していた。
「可笑しなことを言うなあ」と思ったのだが、実は、延暦寺には東海自然歩道が通っていて、そこを歩きに来ている人がいるのだ。東海自然歩道を歩きに来た人は、拝観料を払う必要はないらしい。自然歩道と参道が一体化している所が多く、こうしたトラブルが起きているようだった。延暦寺の中を歩く人の中に、一方は有料、一方は無料と、不思議な風景が存在しているのだった。
延暦寺西塔には、にない堂、釈迦堂、相輪橖、椿堂、瑠璃堂などたくさんの建物が建っていた。全部を回れば時間がかかりそうだ。その中から、山内最古の建物という釈迦堂を見学した。釈迦堂は高い木立に囲まれて建っていた。釈迦堂は、信長の焼討ちがあった後、秀吉が三井寺から移築したものだそうだ。
続いて、浄土院を見学した。ここには、宗祖最澄のお墓があり、山内でもっとも神聖な場所とされているとこだという。たまたま、そこで、研修に来ていたお坊さんたちと一緒になった。リーダー格のお坊さんが説明している声が聞こえてくる。「ここでの修行は大変厳しいものです。地獄ですね。何しろ、十二年間ここにこもり、ひたすら掃除することが修行ですから…」一緒に来ていたお坊さんたちは、きれいに履かれた庭を眺めながらしきりに頷いていた。