その34 お百度石 笠寺観音境内本堂への上り口、右側の常夜灯の前にお百度石がある。小さな石碑なので気づかずに通り過ぎる人が多いのではないだろうか。このお百度石は、寺史によると、元治二年(1865)米屋弥三郎、水本屋清右エ門に寄進建造されたものと記録がある。それから百五十年近い年月を経たのであるが、このお百度石に足を運んだ人はどのくらいになるのであろうか。
お百度参り
お百度参りは、願いを叶えてもらおうとする仏さまや神さまに、100回お参りして祈願することです。
同じ願い事で、100回を1セットとして何回も繰り返す場合もあります。平安時代の末頃から始まったと言われています。
回数を重ねることで仏さまと顔なじみになり、信仰心の篤さと願いの切実さを訴えてご加護を得る、という考え方です。これから発展して、交渉事などでも「お百度参り」とか「お百度を踏む」という表現が使われます。
しかし、回数を重ねることは、本来別のところに意味があります。
まず、回を重ねることによって、無駄がなくなり洗練されます。お参りは雑念を持たずに、一心に祈ることが大切です。回を重ねればすぐに精神統一することが上手になるでしょう。
また、回を重ねることで今まで気づかなかったことに気づきます。お百度は修行の一形態なのです。したがって、単に回数をこなせば良いのではなく、一回を大切に参拝しなければなりません。
お百度は通常、参道の入口から本堂までの間を往復します。百度石があればそこを基点として本堂までを往復します。
数はお賽銭に入れる硬貨を100枚用意したり、棒などを100本用意して数えます。百度石にカウント用の数字を刻んだ円盤状の石が付いている場合もあります。
呪法じゅほう的になると、お百度を人に見られては効果が無くなると考えて、夜間に行う人もいます。
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