蔵のある家の、裏の畑へ通じる路地の脇に、フクジュソウの花が顔を出していた。太陽の光を浴びて、黄色い花びらがキラキラと輝いている。
このフクジュソウを昨年描いたが、納得できる作品にならなかったので、再チャレンジした。
フクジュソウは、小さな石ころや枯葉の隙間から、とても美しいとはいえない薄緑色の茎を伸ばし、その先に鮮やかな黄色い花びらを広げていた。
フクジュソウの花を初めて見たのは、今から10年ほど前のことだ。その頃、私は道歩きに凝っていた。雪がようやく溶け始めた3月末、信濃の柿其渓谷を歩いていた時、村はずれの道標の足元に、黄色い花の塊を見つけた。それがフクジュソウだった。春を告げる花だと、その後知った。
フクジュソウが花を開き、本格的な春が駆け足でやって来ようとしている今日この頃である。
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