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水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

団塊世代の親父のブログです。
水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記 TOP  >  2009年05月

名古屋市南区笠寺観音 延命地蔵堂

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  笠寺観音の西門を入ると、すぐ横に、三つのお堂が仲良く並んでいる。西から、「行者堂」、「延命地蔵堂」、「白山社」の三つである。江戸時代に書かれた「尾張名所図会」には、「白山社」が描かれていることから、この中で一番古い建物は「白山社」のようである。
  この絵の「延命地蔵堂」には「地蔵菩薩」が奉られているという。この日も、お堂の前で手を合わせてお参りするおばあさんを見かけた。そういう旅人も、お地蔵様には手を合わせる。お地蔵様は、馴染み深い菩薩様である。
  10年ほど前のことになるが、「10月に行われる七所神社のお祭で、この地蔵堂の前で熱田神楽の演奏があるから見に来てほしい」と友人から誘われた。友人の娘さんが、日頃から練習してきた篠笛の演奏をするのだという。
  熱田神楽は、前夜祭で奉納された。地蔵堂の前に舞台か組まれ、着飾った巫女さんの舞や神楽の演奏が行われた。舞や演奏は素晴らしいものだった。
  この地域には、熱田神楽笠寺保存会が結成されているそうだ。熱田神宮に伝わっていた伝統ある神楽を、守り続けているという。友人の娘さんも、篠笛を1年間、毎週行われる練習会に参加し、ようやく演奏できるようになったということことだった。笠寺地区に伝統ある神楽が伝わっていたことを初めて知った夜だった。今年の祭りでも、友人の娘さんは篠笛を吹くという。娘さんは、熱田神楽を伝える側になっているのかも知れない…。
[ 2009/05/24 06:27 ] 笠寺観音かいわい | TB(0) | CM(1)

名古屋市南区笠寺商店街  花銀生花店

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  「花銀」は、笠寺商店街に唯一ある花屋さんである。旅人が子どもの頃から、この場所で店を構えていたのだろう。旅人には、この店の向いにあるお汁粉屋や、アイスキャンディーを売っていた店の記憶はあっても、この場所に花屋さんがあったという記憶が全くない。やんちゃ盛りの子どもには、花より団子なのである。花屋さんの記憶がないのは、仕方がない話である。
  もう一つ理由がある。それは旅人の育った家庭環境である。親は、子どもに飯を食わせるのが精一杯で、花を飾るという余裕はなかった。正月のしめ飾りが唯一の花だった。花瓶もなかったような気がする。高校生になった頃、「花を買って来て」と言われ、笠寺商店街に花屋さんがあることを知った。花屋さんとは全くといって縁がなかったのだ。
   「花銀生花店」と「大島呉服店」が並ぶこの場所は、笠寺市場への入口にあたり、市がたつ「六の日」は、人通りが絶えない所だった。今は、隣りのユニー笠寺店はシャッターを固く閉めてしまった。淋しい話である。
  旅人のこの絵を見た90歳になる父が、「大島呉服店は、元気に商売しているようだね」と声を掛けて来た。「大島呉服店」には、特別の思い出があるのだろう。しかし、「花銀生花店」には、特に言葉はなかった。育ち盛りの子どもを必死に育てた父には、花屋さんは無縁だったようだ。
[ 2009/05/22 09:34 ] 笠寺観音かいわい | TB(0) | CM(0)

名古屋市南区笠寺商店街 米久商店

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  笠寺西門交差点の東南角に老舗の看板を掲げた米穀店がある。米久商店である。看板は年代物のようで、「いの一番」とか「プラッシー」とか、旅人には懐かしい商品の名前が書いてある。
年代物の看板に見とれていたら、中から店のご主人が出て来た。「いやー、この看板は年季が入っていますね」と声を掛けると、「昭和の初め頃からここで商売をしているから、私の方がもっと年季が入っているよ。」と、ご主人は笑っていた。
  子どもの頃の話だが、広い通りには市電が走り、この店の迎えには、大きな芝居小屋があった。高砂劇場という名前だったように記憶している。役者が演じるチャンバラを見たような気がする。その後、劇場は映画館になった。洋画が上映され、ジョン・ウェンやオーディ・マーフィの西部劇を見に行った思い出が残っている。
  「この米久商店の前には、夜になるとラーメン屋台ができ、よく食べに行ったね。タクシーを拾ったのもこの場所なの…」と上さんがこの絵を見ながら話し出した。米久商店は、小さな店だが、そこには人それぞれ、いろいろな思い出詰まっているようだ。笠寺に住む人たちは、この絵からどんな思い出を語ってくれるのだろうか…。
[ 2009/05/20 08:48 ] 笠寺観音かいわい | TB(0) | CM(0)

富山市割山 春の天湖森

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  5月の日曜日、集落の行事があった。自分たちが住む集落から森林公園になっている天湖森までのおよそ2kmの山道を歩き、その後、現地でバーベキューを楽しもうというのである。途中の山道では、フキやワラビなどの山菜を摘むこともできる。「歩こう会」と銘うつ行事で、20年近く続いている。細入地域ならではの行事である。この日は、天候にも恵まれ、たくさんの人が参加した。
  天湖森は、富山市の人にはかなり知られた存在になり、最近は、他県からも人が来るようになっている。石川や飛騨ナンバーだけでなく、何と福岡ナンバーの車も見かけた。インターネットで調べてやって来たのだろうか。
  オートキャンプ場に車を停め、テントの中で宿泊し、マス釣りやパークゴルフ、テニスなどを楽しみながら、一日をゆったりと過ごすことができる公園として、利用客が増えていることは、ありがたいことである。施設の改善も進んでいるようだ。
  新緑がまぶしく輝く下での、集落のバーベキューは最高であった。採れたての竹の子(ススタケ)のバーベキューを味わったが、ほんのり甘くて美味しいものだった。また、子どもたちが釣上げたマスの塩焼きも好評だった。楽しい1日だった。

飛騨市宮川町種蔵 種蔵集落全景

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  高台からの種蔵集落の全景である。明日にも田植えができそうな水を張った田んぼが、下の方へと連なっている。こういう田んぼを棚田という。
  種蔵の棚田風景は有名で、全国から見学者が訪れているそうだ。見学者が車を停める駐車場は、この風景では、一番下になるが、そこから棚田を見上げると、田んぼを支える石垣が城壁のように上に伸びている。この高台からは、断崖に田んぼが作られているように見える。凄い風景である。
  急斜面に存在するこの集落の人たちが、こういう地形でも、米作りをしようと、この棚田を作ったのだが、資料によると、石積み用の石は、田んぼから2~300mほど奥地に、適当な石を拾い集めておき、冬になってから雪の上をそりで運んだそうだ。棚田作りが完成したのは、昭和27年頃ということだ。大変な苦労があったのだろうが、手元の資料に具体的な話が載っていないのが残念だ。
  この種蔵で、もう一つ有名なのが木造建築の蔵で、「板倉」と呼ばれているものだ。前回ここを訪れた時に、大学生のグループが、板倉の調査をしていた。蔵を開けて、蔵の構造を調査したり、概観をスケッチしたりしていた。板倉は、全部で20戸ほどあるそうだ。痛みがひどく、修理している板倉も幾つかある。「歴史を伝える建物として保存しよう」という話が進み出しているようだ。
[ 2009/05/16 15:00 ] 飛騨市 | TB(0) | CM(1)

飛騨市宮川町種蔵  ミョウガの段々畑

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  山は春たけなわである。このところ、毎日のように山菜取り出掛け、ワラビやフキの料理が食卓に上っている。ありがたいことである。今日も山菜取りに出掛けようかと思ったが、今年はまだ 春の種蔵集落の風景を絵に描いていない。それで、今日は、種蔵集落へ出掛けることにした。
  国道360号線を走り、種蔵集落に到着した。大きなこいのぼりがあちらこちらで泳いでいる。去年よりもその数が増えているようだ。子どもの数が増えているのだろうか。田んぼは、田植え準備を終え、水が張られている。日曜日にも田植えが行われるのだろう。
  集落全体が見わたせる高台まで行ってみることにした。整備された散策路をどんどん上って行くと、集落が眼下に見え始めた。新緑に映える木々、水が張られた田んぼ、赤や紺のトタン屋根の家が、美しい風景を作っていた。
  さらに上っていくと、崖のような斜面に、段々畑があるのを見つけた。よく見ると、その畑の中で、人が作業していた。斜面にへばりつくような格好で草を刈っている。凄い所で作物を育てているのだ。
  この畑には、ミョウガが植えてあるようだ。去年の夏、ここを訪れた時に、山のようになったミョウガを仕分けしている風景を思い出した。種蔵のミョウガは、険しい畑と厳しい作業の中から産まれていることを知った。種蔵のミョウガは格別の味がすることだろう。ぜひ食べてみたいものだ。
[ 2009/05/14 17:41 ] 飛騨市 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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