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相倉集落を見学を終え、続いてすぐ近くにある菅沼集落へ向かった。五箇山合掌造りが世界遺産に登録されて十五年近い月日が過ぎた。
合掌造り世界遺産と聞くと、多くの人は、岐阜県にある白川郷合掌集落のことを思い浮かべるのだろう。白川郷は、合掌集落の規模が大きく、毎日何十台もの観光バスが訪れ、行列を作って観光客が歩いている。洗練されている。
それに反して、富山県にある相倉や菅沼集落のことを思い浮かべる人はそれほど多くはないのだろう。相倉も菅沼も規模が小さく、観光化はそれほど進んでいない。特に、菅沼集落は、広い駐車場がないので観光バスが入れず、鄙びた感じが漂っているのだ。旅人としては、こちらがお勧めである。
しかし、去年、菅沼集落に大きな駐車場ができ、集落の雰囲気が一変した。無料だった駐車場が有料になり、今までなかった土産物店が幾つもでき、「さあ、いらっしゃい」とばかりに、観光化が進み出した。この日も、たくさんの人が小さな集落の中に溢れていた。
昼食は、鄙びた土産物店の奥にある座敷で食べた。この店もやがて変身するのだろうか。障子の隙間から見える風景が、これからも続くことを願いながら、山菜そばを味わった。