立派なお寺である。観光バスやマイクバスが何台も停まっている。納骨堂や宿泊施設もあり、しっかりお遍路さんを受け入れているようだ。これは前のお寺で出会ったおじいさんの受け売りだか・・商魂たくましく努力しないと、お寺も立派に建て替えられないのだ。
本堂のお参りを済ませ、大師堂へ行く途中で、足が不自由なお遍路さんとすれ違った。大きなリュックを背負い、金剛杖を突きながら、足を引きずっている。片手もどこか不自由な様子だ。しかも、付き添っている人は誰もいない。1人で旅しているのだろうか。「念ずれば・・・」という話があるが、相当の決意でお遍路を続けているのだろう。頭が下がる。
旅人は、以前、山陰を旅していた時に出会ったリヤカーを引きながら旅している親父さんの話を思い出した。「四国で、車椅子でお遍路している夫婦連れに会ったよ。旦那が病に倒れて、体が不自由になったのだが、お遍路することを決意し、奥さんが一生懸命車椅子を押していたよ。凄い人たちだったよ」親父さんは、感心した顔で話していた。山陰で出会った親父さんは、この四国をリヤカーを引きながらお遍路していたのだ。あの人も凄い人だったのだと、今更ながらに感心した旅人だった。
井戸寺には、弘法大師が、錫杖で一夜に掘ったという井戸がある。「この井戸を覗いて姿が映れば無病息災、映らなければ3年以内に不幸がある」という言い伝えが残っている。井戸寺という名前もそこに由来するという。立派なお寺の全景をスケッチした。
もう昼時だ。どこかで昼食にしなければいけない。団体さんたちは、このお寺の食堂でお昼を食べているのだろう。

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