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水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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四国お遍路の旅 第十九番札所 立江寺(たつえじ)

  雨が止んだ。通り雨だったようだ。無事、立江寺に到着し、有料駐車場に車を停める。料金は300円と高額だった。山門から境内に入ると、堂々とした本堂が正面に建っている。その横にある多宝塔も立派だ。
  本堂のお参りを済ませ、大師堂へ行く。その参道の中央に1匹の猫が横たわっていた。横たわった格好が少し妙で、頭をだらりと地面に付け、死んでいるような感じなのだ。近づいても微動だにしない。やはり死んでいるのだろうか。旅人が猫を覗いている横を、お遍路さんたちが何人か通りすぎて行った。「この猫死んどるのかね」という声も聞こえる。
  そこへ家族連れがやって来た。「お母さん、猫がいるよ」と5才位の男の子が叫んだ。「ああ、かわいそうに死どるみたいだね」と母親が子どもに話している。その時、猫の髭がピクリと動いたのだ。「この猫生きていますよ」と旅人は声を上げた。「えっ、生きているんですか」と母親が言った。「ほら、髭が動いているでしょう」旅人は、髭が微妙に動いている所を指差した。「心配させる猫やね」と母親は笑った。何と猫は、道の往来で堂々と昼寝をしていたのだ。お遍路寺では、殺生する人はいないと悟りきっているのだろうか。この猫には参ったというしかない旅人だった。
  大師像と多宝塔をスケッチした。時刻は午後4時半。今日のお遍路はこのお寺で終了にした。今日は、どこで野宿することになるのだろう。今から場所を探してあちこち放浪することになるのだ。「近くに道の駅があればいいのだが・・・」そう願いつつ、お寺を後にした。宿探しもお遍路する者の修行の場である。
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[ 2008/07/15 10:03 ] 四国お遍路 徳島県 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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