手元の案内所によれば「海抜600mの山頂近く、巨杉に囲まれたお寺で、麓からロープウエーがある。林道もあり、こちらは駐車場から2kmほど歩く」とある。旅人は林道で行くことにした。
舗装されてはいるが細い道だ。対向車に気を付けながら走って行く。もちろん「同行二人」という気持ちである。無事駐車場に到着。「駐車料500円は納経所で納めてください」と大きな張り紙がある。「私は車で来ました」と自主申告することになるのだろう。それにしても高額の駐車料である。
木立に囲まれた上り坂を、金剛杖を突きながら歩いて行く。歩き出して15分、汗が噴き出して来た。歩き遍路は大変だ。このお遍路道を全て歩き通す人がいるということが信じられない。
本堂に到着した。立派な本堂だ。右手の石段の上には、これもまた立派な多宝塔が見える。大師堂のお参りを済ませ、ロープウエー乗り場の見学に行った。「展望台からの景色はさぞかしいいのだろう」と期待していたが、ロープウエー乗り場は、高い木立に囲まれていて全く展望が利かなかった。「いい景色を見たいなら、ロープウエーに乗れ」ということなのだ。料金は往復で、2400円。やはり高額な乗り物だ。
本堂をスケッチしていたら、団体さんがやって来た。昨日会った団体さんだった。やがて、大きなお経が辺りに響き始めた。お経の響きを聞いていると、何だか心地よさを感じるようになっていた。お遍路の世界に、はまり出したということだろうか。

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