夜中外へ出たら、天の川が大空を横切っていた。お遍路していて天の川が見られようとは思ってもいなかった。嬉しい贈り物だった。
爽やかな朝だと思った。木立に囲まれた美術館が、朝日で光っている。朝食のメニューはインスタントうどんである。食べ終わってしばらくしたら、急に腹が痛くなった。あわてて、トイレに駆け込んだら、激しい下痢だった。夕食に食べた鯖の刺身がよくなかったのかも知れない。持ってきた腹痛の薬を飲んだのだが・・・。お遍路さんなら、こういう時は、大師様にお願いするのだろうか。
午前8時、善楽寺へ出発。通勤時刻と重なり、渋滞の道を走る。午前9時過ぎにお寺へ到着した。大きなお寺である。すぐ横が土佐神社である。駐車場に車を停め、歩き出したら、「あんたは、どこへ車を停めとるんや」とお坊さんに怒鳴られた。よく見ると、そこは月決め駐車場だった。「善楽寺の駐車場はもっと北です。すぐ動かしなさい」と、お坊さんは、まだ怒鳴っている。何度も頭を下げ、車を移動する旅人だった。今日は、判断力も鈍っているようだ。それにしても、怖いお坊さんだった。たぶん、お遍路さんが、この駐車場を使ってしまい、苦情が一杯舞い込んでいるのだろう。あの人は、善楽寺のお坊さんに違いない。
お参りを済ませ、本堂をスケッチした。建替えられたばかりの本堂だった。屋根も柱も白壁もピカピカ光っている。集中力がなく、途中でスケッチを投げ出したくなった。やはり体調はよくないようだ。しかし、こういう時こそ頑張らなくてはと、何とか本堂のスケッチを描き終えた旅人だった。

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