岩屋寺から次の札所「浄瑠璃寺」へ向けて走り出した。時刻は午後2時を過ぎている。どこかで食事をと思っているのだが、山の中を走る道なので、店は見つからない。
かなり走った所で、ようやく小さな食堂を見つけた。駐車場は車で一杯だ。繁盛している店のようだ。さぞかし美味しい料理を食べさせる店なのだろう。店の中はお客さんで満員だった。メニューには、丼物や麺類が並んでいる。旅人はラーメンを注文した。
店の奥では、2人のおばさんが切り盛りをしている。その様子を見て、少々がっかりした。料理を作る動作が、きびきびしていないのだ。だいぶ待ってから、注文したラーメンが運ばれて来た。案の定、化学調味料が一杯入ったどうしようもないラーメンだった。どうしてこの食堂が満員なのか、不思議だった。もう一つ不思議なことがある。ラーメンの値段が530円なのだ。500円とか525円なら理解できるが、530円とはどういう計算なのだろう。いろいろと疑問が残る食堂だった。
険しい山道を下る。三坂峠という所で、曲りくねった下り坂が続く。土佐街道最大の難所という。後ろからトラックに追い立てられながら、無事、松山市内へ入った。ここから少し道に迷ったが、無事、浄瑠璃寺に到着した。車遍路も大変であった。
時刻は午後4時を過ぎていた。山門から境内に入る。静かな境内だった。このお寺は、奈良の大仏開眼に先立ち、行基が仏教布教のためこの地へ立ち寄り、ここに伽藍を建立したのが始まりだという。西暦708年というから、長い歴史のあるお寺だった。
お参りを済ませ、本堂をスケッチしていたら、やぶ蚊に襲われ、あっという間に二箇所ほど刺された。スケッチも早々に退散することにした。お遍路には、虫除けスプレーも必需品のようだ。

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