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「南無十一面観世音菩薩」を記した幟が林立する笠寺観音は尾張4観音の一つとして人々に親しまれている。。節分には、この境内かいわいには屋台が並び、近在から人々が押し寄せる。
本堂では、厄年を迎えた人たちが豆を撒く。その豆にはご利益があるということで、子どもの頃は、毎年のように拾いに出掛けたものだ。笑い話みたいな話だが、「傘を広げるとたくさん拾えるよ」と教えられ、本当に傘を持って出掛けたことがあった。ごったがえす本堂で傘を広げることはできず、失敗に終わったことはいうまでもない。
境内には、見世物小屋もできていた。ろくろっ首の女や、怪力の巨人、子どもより小さい小人など妖怪が登場するという。子どもには刺激的な看板が並んでいたことを覚えている。
来年の節分も境内かいわいには屋台が並び、ごったがえすのだろう。しかし、豆まきの風景は様変わりし、本堂に向って豆を撒くようになり、ご利益の豆は拾えなくなった。もちろん子どもの頃見た見世物小屋も、今はもう見られない。