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「コウゾの寒干が始まったからお出でください」と河合町で和紙作りをしている清水さんから電話が入った。天気がよい土曜日に出掛けた。今年は雪が少なく、国道360号線もすいすいと走って行ける。何と40分ほどで清水さんの家に到着した。
作業場を覗くと、清水さんは和紙を漉いている最中だった。「遠い所をご苦労様」と清水さんは手を休めて出迎えてくれ、コウゾが干してある田んぼへ案内された。広い田んぼには何列もコウゾが干してある。「雪が深いと、コウゾの黒皮がうまく剥がれるのですが、今年はこの通り、上手く剥がれないのですよ」と清水さんは少々困り顔だった。
その後、紙漉きの仕方について作業場で詳しく説明してもらった。紙漉きは単調な仕事のように見えるが、実は自然相手の作業なので、自然条件によって和紙のでき方が違うそうだ。今年のような暖冬では、いい和紙が漉けないとのことだった。「気温が低いと紙漉きの水の音が違うのですよ」と言った清水さんの言葉が印象的だった。