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河合町有家の美しい風景が望める位置でスケッチした。「あの場所は、有家の絶景ポイントのようで、カメラマンもよく来ていますよ。『今は光の具合がよくないから、昼から来るわ』と言い残して立ち去ったカメラマンもいましたよ」と清水さんも笑いながら話していた。有家の美しい風景はここからしか見られないようだ。
雪が積もった田んぼに、コウゾが干してある。例年なら田んぼ一面にコウゾが干してあるとのことだが、暖冬の影響で今年はやっとこれだけ干せたとのこと。清水さんの納屋には、これから出番を待つコウゾが、まだ山のように積まれていた。
それにしても美しい風景だ。カラフルな色のトタン屋根。朽ちた壁のある土蔵。まだ白い雪が残る屋根も見える。白い田んぼとそこに映る淡い影。緩やかに流れる小鳥川は深い青色をしている。その淵には冬枯れした草木が並ぶ。スケッチに没頭していたら、遠くから、正午を告げる音楽が流れて来た。そろそろ帰る時間が来たようだ。