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種蔵集落は国道360号線から少し山手に入った所にある。種蔵へ通じる道路の除雪も確保されているようで、豪雪の時期も交通の便が途絶えることはないようだ。しかし、集落には店屋は一軒もない。種蔵の人たちは、生鮮食料品をどこで確保しているのだろうか。国道沿いに酒屋が一軒あるが、たぶん宮川の街中まで買いに行くのだろう。いや、大きなスーパーのある飛騨古川まで行く人もいるのかも知れない。とにかく、雪の降る冬の大変さがひしひしと伝わって来た。
飛騨の名物に、漬け物ステーキなるものがある。漬け物をステーキのように油で炒めて、それをたまごで絡め、その上に鰹節を載せて出来上がりである。素朴だけど美味しい料理だ。この種蔵の家庭でも、食卓に漬け物ステーキが載っているのかも知れない。
種蔵から、さらに山を上って行くと、菅沼集落がある。除雪もままならないようで、この日は、その道は雪で埋まっていた。きっと、冬は厳しい生活を強いられているのだろう。菅沼集落の冬景色も描いてみたいと、旅人は思った。