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梅雨も終盤を迎え、雷が鳴り、雨が降り続いている。「飛騨北部で激しい雨が降り、洪水注意報が出ています」とラジオから注意を呼びかけるニュースが流れて来る。細入は富山県だが、気候は飛騨である。
「細入を流れる神通川は、どうなっているのだろうか?」。野次馬根性が働き、川の様子を見に出掛けた。災難に会う人は、きっと、旅人のような人が多いのかも知れない。
予想した通り神通川は、黄土色の濁流になっていた。日頃は平穏な神通川第二ダムも、口が四本開き、轟々と音を立てて濁流が落下している。川面は、落下する濁流で、激しく波打っていた。
神通川第二ダムには、九つの門がある。旅人が今まで見た中では、六つの門が開いていたことがある。四年前に宮川が氾濫する洪水があり、神通川流域でも大きな被害があった。その時は、きっと、全部の門が開いていたのかも知れない。
今回の大雨では被害は出なかったが、神通川第二ダム湖は、流木で埋まっていた。この流木の除去には相当の日数がかかりそうである。まだ梅雨は明けていない。この先、大雨が降らないことを願う旅人だった。