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笠寺から熱田に向けてしばらく行くと呼続町に入る。ここは、旅人が生まれ育った町である。今はとても細く感じる旧道だが、子どもの頃には市バスが走っていた。そのバスに乗って鶴舞まで行った記憶が残っている。
呼続の町もこれから描いて行く予定だ。描きたい風景が頭に浮かぶ。「戸部神社・呼続公園・清水稲荷・呼続小学校・新郊中学校…」どこも旅人が子どもの時に遊んだ所である。故郷の絵を描き始めて、思い出すのは、不思議と、子どもの頃の記憶ばかりである。それが歳をとったという証拠なのかも知れない。
そして、最初に描いたのが、旧道筋にある「鈴木酒店」である。この酒屋さんには、親父の代からお世話になった。
子どもの頃、空になった親父の酒瓶を抱えて、この店の暖簾をくぐり、酒の計り売りをしてもらったことが、よくあった。当時は、計り売りという売り方が、普通に行われていたようだ。帰りに、「お手伝いご苦労さん」と駄賃をもらった記憶もある。
量販店に負けないで、今も元気に商売をしていることが、店構えから伝わってくる。若旦那さんも元気なようだ。