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旧い町並みをスケッチしようと歩き始めた。郵便局も銀行も古風な造りに建替えられ、通りには、以前にはなかった喫茶店や土産店もある。平日というのに、駐車場には観光バスも止まり、散策を楽しむ人の姿があちらこちらに見える。関宿は、確実に町おこしに成功したようだ。
写真館の前で、カンバスに、六号ほどのスケッチブックを立て、絵を描いている人がいる。折りたたみ椅子に座り、絵の具を広げ、熱心に色を着けている。覗くと、白い画面の半分ほどに色が着いていた。この人は、このスタイルで何時間も描き続けているのだろう。完成まで、まだ何時間も掛かりそうに見える。人前で堂々と絵を描き続ける姿に、感心した。
店先に、古い甕が飾ってある古道具屋を見つけた。くたびれた机や椅子も並んでいる。もし、この店が、普通の商店街にあったら、雰囲気を壊すから、店仕舞いを進められそうだが、古い町並みにあると違和感がないのが不思議だ。旅人は、この店をスケッチした。古びた雰囲気が表現できるといいのだが・・・。