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三重からの帰り道、近江八幡へ寄り道して、水郷の風景を見学して行くことにした。時刻は、午後三時を過ぎている。地図で大雑把な検討をつけて、国道8号線を走って行く。どこかに案内板でも出ているのだろうと思っていたのが間違いだった。彦根近くになって、ようやく近江八幡を通り過ぎたことに気が付いた。「水郷」という案内板を見落としたのだろう。せっかく、ここまで来たのだからと、近江八幡へ引き帰した。ガソリンスタンドで、水郷めぐりをする乗り場の場所を教えてもらった。
やっとのことで、舟が発着する場所に到着したのだが、「今日の乗船は午後三時で終了しました。明日の朝、お出掛けください」と案内所の親父さんは、つれなく言った。水郷めぐりはあきらめ、近江
八幡の街中を散策していくことにした。
近江八幡の街中には、古い建物が結構残っていて、散策コースも幾つか設定されていた。午後五時を過ぎ、辺りは薄暗くなり始めている。ロープウエーがあるという日牟禮八幡宮へ行くと、八幡堀に掛かる橋の上に観光客が集まっていた。「今から、夕陽が沈む所をここから見るのよ」とおばさんが教えてくれた。ここは、絶景ポイント一つのようだ。水郷めぐりはできなかったが、美しい夕陽を眺めることができ、満足した旅人だった。