午後四時半、旧八号線沿いにある、道の駅「倶利伽羅 源平の郷」に到着した。倶利伽羅の戦いで木曽義仲が牛に松明をくくりつけて敵に放ったという話が伝わっているが、道の駅の入り口で、模型の大きな牛が旅人を出迎えてくれた道の駅には、「倶利伽羅塾」と記された幟が何本も立ち、風呂や宿泊施設が併設さている。今日の宿泊は、ここに決めた。

松明を付けた牛の像
さっそく風呂に入ることにした。受付に座っている親父さんが、「時間外ですが、どうぞ風呂にお入りください」と言った。「時間外とは、どういうこと?」と不思議に思ったが、質問はしなかった。料金は、シニア割引があり三百円と格安であった。
風呂には、三人ほど先客がいた。シャンプーや石鹸も設置されていて、三百円とは本当に格安である。きっと、地域の人もたくさん入りに来るのだろう。しっかり温まり、風呂を出た。いい風呂だった。壁に風呂の概要が掲示してある。その中に風呂の営業時間が記されていて、(10:00~16:00 18:00~20:30)となっていた。なるほど、(16:00~18:00)は営業していない時間なのだ。受付の親父さんが言った「時間外ですが」という言葉の意味がようやく分かった。しかし、(16:00~18:00)は、風呂が一番込みそうな時間帯である。その時間帯を閉鎖するとは…。この時間は、従業員の休憩時間なのだろうか。入浴料の三百円も不思議だが、こちらは、もっと不思議な話に旅人には思えた。

道の駅「倶利伽羅 源平の郷」
受付前にある売店には、土地の名産品や野菜などがずらりと並んでいる。晩御飯は、隣の食堂で豪華にいこうと思っていたのが、弁当コーナーに、半額の赤いシールが貼ってある幕の内弁当を見つけた。貧乏性の旅人には、やはりこちらの方がお似合いのようだ。その夜は、缶ビールと幕の内弁当の豪華な晩御飯になった。