
夕暮れの神通峡
神通川に沿う県道を散策した。このところの暖かさで雪が一気に解け出し、雪を気にせずに歩けるようになった。崖崩れ防止の柵の脇にフキノトウを見つけた。つぼみはまだ固い。開花までにはまだ時間がかかりそうだ。
竹林の横を通ると、たくさんの竹が倒れ、ジャングルのようになっていた。今年の雪で曲がったり、折れたりしたようだ。今年はやはり大雪だったようだ。
道路にハザードランプが点滅する車が止まっていた。その近くに人影を見つけた。どうやら、フキノトウを探しに来た人たちのようだ。山菜取りの人で賑わう季節がやって来たようだ。さっき見つけたフキノトウもこの人たちが摘んでいくのだろう。
川の方から人の声が聞こえて来る。崖下を覗くと、大きな白いボートが浮かんでいた。漕艇の練習をしているようだ。八人乗りだ。そのすぐ横をモーターボートが伴走していた。声はモーターボートから聞こえて来る。叱咤激励の声のようだった。しばらく見ていたら、ボートは、夕暮れ迫った赤い観光橋の向こうへ消えていった。美しい風景だった。