
松川べりの桜
お花見の季節を向かえ、桜の名所松川べりはたくさんの人で賑わっている。富山市で全日本チンドンコンクールが開催されていることもあり、他府県からの団体さんが多いようだ。団体さんのお目当ては、遊覧船に揺られながら、松川べりの桜のトンネルをくぐり抜けることにあるようだ。遊覧船を待つ船着場は、長蛇の列だった。
松川を巡る遊覧船に異変が起きていた。船頭さんが竿を操りながら巡っていた屋形船が、大型船になり、運転は、船頭さんから操縦士に変わっていた。船からの眺めには、さほど違いはないのだろうが、土手から松川の景色を楽しむ花見客には、波しぶきをあげながら走る大型の運搬船は、不要の長物だった。ゆらゆらとのんびり進む屋形船には、情緒があり、桜見物にはぴったりだったと思うのだが…。よく見ると、船着場の陰に、一艘の屋形船がつながれていた。観光客が少なくなったら、また、この船が復活するのだろうか…。
そんなことを考えていたら、「滝廉太郎Ⅱ世号」と名前が付いた大型船が、目の前を通過して行った。「えっ、どうして、滝廉太郎?」戸惑うことが、たくさんあった松川べりだった。