新湊にある富山新港に係留されている旧海王丸が、海の日の記念日にあたり、総帆展をするという。何年か前にも全ての帆を張った海王丸を見たことがあったが、また見たくなり出かけた。港に着いたのは、昼近く。白い帆を張った美しい姿の海王丸が、海に映えていた。
どこから見ても美しい海王丸だが、絵にする最高のポイントを探して、歩き出した。大きなカメラを持った人たちも歩いている。皆、同じ考えでいるのだろう。小さな船が、海王丸に近づいて行く。船には、たくさんの人が乗っている。海上から海王丸を眺めようとやって来た船のようだった。
海王丸の前方がよく見える位置に移動した。プランタンに植わった赤い花と海王丸の白い船体がマッチしている。空を見上げると、真っ青な空に、白い入道雲がもくもくと沸き上がっていた。ここが、絶景ポイントだと決め、スケッチした。
それから、半年。ようやく完成させたのがこの作品である。今までに描いた海王丸の作品の中では、これが一番ではないかな?