猪谷駅で見られる列車 猪谷駅で見られる列車について紹介しよう。
高山本線を走る列車は、全て気動車である。ホームの手前に停車しているシルバー色の車体にオレンジ色ラインが入っている列車が、猪谷~富山間を走る普通列車である。ワンマンカーで、一両のみで走る列車もある。一時期、富山市が社会実験と称して、一時間に一本、猪谷~富山間を走らせたが、乗降客が極めて少なく、今は、八尾~富山間に縮小された。

オレンジ色と緑色のラインが入った薄いクリーム色の列車が、JR東海の普通列車である。キハ四八系と呼ばれる気動車で、国鉄時代に作られた車両である。一度は乗ってみたいと思っている鉄道ファンが多いそうだ。
二〇〇四年、高山本線が豪雨で寸断され、三年という長期の間、不通になったことがあった。その時、打保駅に、この型の気動車が閉じ込められた。その時閉じ込められていた列車は、奇跡的に復帰し、元気に高山本線を走っているという。車内に、現場復帰したという記念のプレートが掲示してあるというから、運がよければ、その列車に乗ることができるかも知れない。

シルバー色の車体に赤いラインが入っているのが、特急ひだ号である。グリーン席、指定席、自由席の三両編成で走っている。十年ほど前には、猪谷駅で運転手や車掌が交代する風景は見られなかったが、最近になってJR東海とJR西日本の経営の境界がかなりはっきりしてきたように思う。
発車ベルが鳴り、雪煙を巻き上げながら特急ひだ号が走り出した。雪国でしか見られない風景である。

駅の外れまで歩いて行くと、格納庫の前に、ラッセル車がとまっているのを見つけた。こんな近くでラッセル車を見るのは初めてだ。オレンジ色の車体が白い雪に映えていた。
車体をよくよく見て、驚いた。前部は、雪を掻き分けて進む羽が付いているが、後部には、ロータリー車の羽が付いていた。以前は、ラッセル車とロータリー車は別々だったが、この列車は両方が合体している。最新式のラッセル車は、皆こんな形になったのだろうか。