猪谷駅前商店街 
「猪谷商店街の歴史は昭和五年に始まる。昭和五年十一月、飛越線が猪谷まで開通すると、昭和六年、三井鉱山は、ただちに神岡軌道を飛越線の猪谷駅構内へ乗り入れた。この乗り入れによって、猪谷は重要な貨物駅としての性格を持つようになった。それに伴い、三井鉱山は、猪谷に駅舎・倉庫・社宅等を多数建設した。細入村も猪谷駅から真直ぐ県道につながる村道を建設した。これが、現在の駅前通りである。
駅前通りが建設されると、その両側には、続々商家が並ぶようになり、片掛から郵便局も移転した。この頃、営業を始めた商家には、水腰酒類販売店、森下友蜂堂、早瀬亭、宮口精米所、土田洋服店、魚国商店、江尻商店などがある。また、駅前通り以外にも鮮魚店、雑貨店、理髪店、和菓子店などが建ち、大きな活気を呈していた。」(細入村史より)
平成に入り、神岡鉱山の縮小、神岡鉄道の廃線など大きな変化があり、戸を閉めている商店が目立つようになった。古い話になるが、笠智衆と宇野重吉が「ながらえば」というテレビドラマで酒を酌み交わした金山旅館も何年か前に廃業した。寂しい商店街になりつつあるが、現在も営業を続けている商店を紹介しよう。
森下友蜂堂
森下友蜂堂は、猪谷駅の正面にあるお菓子屋さんである。歴史は古く、高山線が全線開通した昭和五年頃、養蜂業を営んでいた先代が、開業した。当時は、旅館業も営んでいたという。

現在も養蜂業を営み、昭和天皇へ献上した「トチの花から取った蜂蜜」や蜂蜜入りの「関所せんべい」は、猪谷名物のお土産である。
水腰商店 
創業は明治二十八年。昭和十年、片掛から猪谷駅前通りに店を移して、この地で営業を始めた。白い蔵の横には、酒・みそ・しょうゆの大きな暖簾が架かり、休憩用のテーブルや椅子が置かれている。ふらりと立ち寄り、ここで一杯呑んでいく旅人もいる。
水腰商店は、この辺りで唯一の酒屋さんである。列車の待ち時間に、ビールを買いに走る旅人の姿が、時々見受けられる。
早瀬亭 
商店街の一角で、「もつ焼」の幟が風に揺れている。「早瀬亭」の幟である。早瀬亭は、この商店街唯一の食堂である。NHKの旅番組で、関口知弘さんが、猪谷駅に立ち寄り、この早瀬亭の「もつ鍋」を美味しそうに食べていたことがあった。「もつ鍋は美味しいの」と知人に聞くと、「知り合いが来ると、土産に持たせるくらいだよ。とにかく美味しい」と勧められた。
早瀬亭は、夏には、「常虹の滝」の横で、流しそうめんの店を開いている。
村中商店
国道四十一号線猪谷バス停の真横にある。婦人服を中心に下着、文具、お菓子、生活雑貨など幅広く取り揃えている。バスを待つ間、話し上手なお上さんと談笑するお客さんの姿が見られる。
懐かしい風景が丁寧に描かれていて、本当に癒されました。学生の頃は毎日、猪谷駅を利用していましたし、駅前の商店街も、子供の頃は毎日利用していました。
今は月に一度くらいしか実家に帰っていませんが、今すぐにでも帰りたくなるような、そんな絵でした。また素敵な絵をたくさん描いてくださいね!!