猪谷の名所・旧跡・お勧めの風景 その1猪谷関所館
猪谷関所館は、富山市の施設で、猪谷駅から徒歩二分の所にある。昭和六十三年に建てられた。建物が、少し奥まった所にあるため、気が付かないで素通りする旅人もいる。
猪谷は、越中と飛騨の国境で、古くから軍事的な要衝で、江戸時代には「富山藩西猪谷関所」が置かれていた。
猪谷関所館には、当時の古文書・武具・用具や江戸時代の僧円空が彫った仏像など、貴重な資料が多数展示されている。また、険しい神通峡を渡った「籠の渡しの模型」も設置されている。
金剛山 西禅寺 
猪谷駅西方の山にお寺の屋根が見える。このお寺が、金剛山西禅寺(曹洞宗)である。歴史は旧く、一六〇四年に建立されたという。赤い幟が並ぶ長い石段が続く。
石段を少し上ると、小さなお堂がある。中には、三体のお地蔵様が納められている。この中の一体は、元禄時代に作られたものである。
そこから少し上ると、右手に稲荷社がある。社は、西禅寺鎮守堂ともいい、以前は本堂脇にあった。商売繁盛の「稲荷大明神」が奉られている。

さらに階段を上ると、大きな仁王像が出迎えてくれる。その脇には、小さな石仏がたくさん並んでいる。赤い色で塗られた石仏もあり、お寺の入口は賑やかである。
西禅寺本堂内には、木造の三十三所観音が安置されていてる。また、お寺には、三体の塼仏(せんぶつ=型に粘土を入れて素焼きした仏像)が伝えられている。歴史的に大変貴重な仏像だということである。十一月、お寺は美しい紅葉に包まれる。
六地蔵 
西禅寺西の裏道の脇にコンクリートのお堂がある。中には、六体のお地蔵様が並んでいる。以前は、旧飛騨街道にあったのだが、ダム湖に沈むので、ここに移された。細入地域の中では、最も古い六地蔵で、江戸時代中期に作られたものである。
西猪谷関所跡 
明治初めに関所が廃止された後、関所跡は、宅地や畑地として利用され、石畳や礎石が残っていたが、昭和四十年、国道四十一号線の拡張工事が行われ、今の関所跡は、ほんの一部しか残っていない。関所跡に立つ説明板には、次のように記されている。
「西猪谷関所は、天正十四年頃(一五八六)から、明治四年(一八七一)までの約二八〇年間置かれ、特に富山藩が立藩した寛永十八年(一六四一)からは、橋本家と吉村家が代々番人を務め、人や物の監視など国境の警備にあたっていました。
番人は関所内の建物で生活し、その建物には川手方へ十四間、山手方へ三十八間の矢来垣があり、番所には常時鉄砲二挺等が備えてありました…」
西猪谷関所の模型を、猪谷関所館で見ることができる。
復帰されたようで
安心しました。