水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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神通峡をたずねて 猪谷かいわい 16

猪谷に残る民話・伝説 その1

手品師の関所破り 
 
 昔、飛騨と越中の国境に、猪谷の関所があった。すぐそばを流れる神通川には、橋がなかったので、川の向うへ行く時は、籠の渡しに乗って行った。
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 ある時、飛騨から、大勢の人が籠の渡しを乗り合って、この関所へ集まって来た。その中に、親子三人の手品師がいた。

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関所の役人は、三人の様子をじろじろ見て、「そこへ来た親子三人、お前らは、手品師ではないか。こっちへ来い。」と呼んだ。
「人の目をくらまして、金をむさぼり取るような手品師なら、この関所を通すわけにはいかん。」
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手品師は、「何というお役人様、私らは、他の手品師のような、お客様の目をごまかすような、そんなことはいたしません。ただ、ありのままの芸をいたします。」
役人は、「そりゃ、どんなことをするのじゃ。一つ見せてもらうか。」
手品師は、「それでは…一升入りほどの鈴を、一本貸してください。私ども親子三人が、その鈴の中へ入ってご覧に入れます…。」
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 役人は、家来に、木魚より大きい鈴を用意させて、手品をする台まで並べた。
いよいよ手品師は、「これからお見せする手品は、たいへん難しいもので、皆さん十歩ほど下がってくだされ…。」と言うて、黒い大ぶろしきを、上からかぶせて、「種も仕掛けもない。」という話をして、ふろしきを、鈴の上にかぶせた。
 そして、「まずは子どもから。」と言って、子どもを、その鈴の中へ押し込み、次に母親を入れた。次に、自分が鈴の中へ入って、姿を消してしまった。
 役人は、互いに顔を見あわせて、これは不思議な手品だと言っているが、どれだけ経っても、手品師は、その中から出てきません。役人は、鈴の中をのぞくだけでなく、しまいには、鈴の中へ火ばしを入れたり、鈴をこわしたりするが、影も形もない。
 不思議なこともあるものと、話し合いをしておるところへ、商人が入って来た。役人は、「これこれ、もしかするとお前は、かくかくの男と母親と子どもの三人の姿を見なかったかい。」と言うと、商人は、「そうそう、確か三人連れの親子なら、楡原の村の近くでおうたことい。」と言った。
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 役人は、「あー、手品師に一杯食わされた。」と、皆あきれた話をしておったという。
これが手品師の関所破りとして伝えられているということだ。
                                                 民話出典「細入村史」
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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