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水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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ふらりきままに 甲州街道を歩いて下諏訪から新宿へ 6-4

6 甲府市から大和村へ その4

 もうすぐ大和甲斐駅だ。時刻は午後3時を過ぎている。今日は大和甲斐駅前で宿を見つけることにした。人家が見えるようになり、しばらく行くと笹子峠上り口という道標が立っていた。旧道は笹子峠へ上る道である。交差点にガソリンスタンドがあるので聞いてみることにした。スタンドで働いていたおばさんに「笹子峠へ行く道はこちらでしょうか」と聞いた。「そうだけど、今から歩くのかい。ちょっと無理じゃないかなあ」と言った。「明日歩こうと思っているのですが」と答えると、「止めといた方がいいよ。クマが出るという話だよ」と真剣な顔だ。「本当ですか」と聞き返した。そこへ、車が入って来た。おばさんは、「この先に役場があるからそこで聞いて」と慌しく言うと、車の方へ行ってしまった。

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 役場へ向って国道を歩いて行った。警察署の前を通りかかったら、おまわりさんが検問をしていた。トラックの重量検査をしているようだった。歩道におまわりさんが立っていたので、聞いてみることにした。「旧道を歩いて笹子峠を越えようと思っているのですが」と言うと「クマが出るから、止めといた方がいいよ」とおまわりさんもおばさんと同じことを言った。「この先の笹子トンネルは歩けますか」と聞いた。「いや、トンネル内は歩行禁止になっています」という答えが返って来た。ここから先、峠をどうやって越えればいいのだろう。とにかく役場へ行ってみることにした。
 
 国道のすぐ横に大和町役場はあった。「すいません。笹子峠について聞きたいのですが」と言うと、観光課の男性がやって来た。「笹子峠を歩く人が最近増えて来ました。ここに地図がありますから、どうぞお持ちください」と男性は地図を開いて、赤鉛筆で歩くルートまで記入してくれた。「クマが出るという話を聞いたのですが、本当ですか」私が言うと「はい、出ますよ。山梨県全域でクマが出ると言った方がいいかもしれませんが、ラジオとか鈴とか音の出るものを用意された方がいいと思います」と助言してくれた。笹子峠は覚悟して歩かなくてはいけない場所だということがよく分かった。
  
 役場を出て、駅の方へ歩いて行った。食堂がある。暖簾が掛かり、営業しているようだ。遅い昼食を食べることにした。「何でもあります」の食堂で、夜は居酒屋を営業しているようだった。カレーライスを注文した。調理を始めた主人に「この辺りに宿屋はありませんか」と聞いた。「この辺りにはありません。ここから4kmほど山へ入った所に温泉があって,民宿とか旅館があります」と教えてくれた。今から更に1時間近く歩く気にはなれなかった。「この中央線沿線で、宿のある大きな駅はどこですか」と再び聞いた。「塩山か大月じゃないかな」と答えが返って来た。今日はこの先にある大月で泊ることに決めた。カレーライスは美味しかった。

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 甲斐大和駅から高尾行普通列車に乗った。明日は、クマが出るという笹子峠を歩くことになるのだが、気がすすまなかった。「甲州街道を歩いて新宿まで行く」というのが今回の目標だった。ここまで道は何度も間違えたが、ずっと歩き続けて来た。それを、クマが恐いという理由で、断念していいのか。そのことについては、今晩ゆっくり考えようと思った。
 
[ 2012/04/26 08:14 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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