水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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ふらりきままに 甲州街道を歩いて下諏訪から新宿へ 8-2

8 上野原町から高尾へ その2

 相模湖駅前でサンドイッチを買い、バスに乗った。10分ほどで千良木に着いた。「ここから、東海自然歩道を歩いて1時間程上ると城山の山頂に着く」と地図には書いてあった。舗装された道にはしっかりした道標が立っていた。道標に従って歩いて行くと、次第に険しい山道になった。
 
 土産物や食べ物などを売っている山茶屋が見えて来た。店の親父さんとリュックを背負った中年の男性が話しをしていた。「こんにちは。この道は高尾へ続いていますか」と声を掛けた。「高尾へ続いていますよ」と店の親父さんが答えた。「今から私も上り始めるところですから、一緒に行きましょう」とリュックを背負った男性が言った。
 
 男性と一緒に山道を上り始めた。長距離を歩くのは大丈夫なのに、山道は全く勝手が違っていた。しばらく歩くと呼吸が荒くなり,とても男性に着いて行くことができなくなった。男性は、私の息の荒いのに気付いて、「休憩しましょう」と声を掛けてくれた。

 私は、男性に甲州街道を歩いている話をした。「それなら、この山の下にある小原宿を見て来ましたか」と聞かれた。「国道はバスに乗ってしまい、小原宿は抜かして来たようです」と私は答えた。甲州街道を歩くなら、旧道を歩こうと決めていた。それが、歩けない国道に出会って、腹を立て、宿場町が残っているという町までバスで素通りして来たのだった。少し恥ずかしい気持ちになっていた。

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 「旧甲州街道は、この山の上を抜けているのです。小仏峠という峠道です。これから高尾へ行かれるのだったら、小仏峠から旧道を歩いて行かれるといいですね。途中、関所跡も残っています」思い掛けない話を男性から聞くことができた。偶然出会った男性から、旧甲州街道の話を聞き、そこを歩いて行けるとは、旅には不思議な出会いがあるものだ。
 
 30分ほど上った所にベンチがあり、中年の女性がカメラを構えていた。「景色を撮っているのですか」と私が声を掛けた。「ええ、富士山を狙っているのです」と女性が答えた。振り向くと、相模湖の向こうに富士山の頭がぼんやり見えていた。「少し前には、もっとはっきり富士山が見えていたのですよ」と女性は笑いながら言った。

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 私は、富士山との再会が嬉しくて、絵を描いて行くことにした。一緒に上って来た男性もリュックを下ろした。絵を描いている間も、私たち3人は旅の話をした。何時しか旅の話で盛り上がっていた。「素敵な人たちに会えて本当によかった」と女性は笑顔で話した。相模湖の向うに見える富士山が上手く描けたように思った。
 
女性と別れ、私たちは再び山道を上り始めた。十分休憩したのに、しばらく行くと息が弾み出した。男性には先に行ってもらい、私はゆっくり上って行った。30分近く掛かり、やっとのことで城山の頂上へ着いた。山登りは今の私には無理だと思った。
 
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 頂上には大きな茶店があり、たくさんの人がベンチや丸テーブルの椅子に座って食事をしていた。先に行った男性がベンチに座って私を待っていた。「食事にしましょう」と男性が言った。私はリュックから相模湖駅前で買ったサンドイッチを出した。男性は温かい味噌汁を飲み始めた。「味噌汁はあの茶店で売っています」と教えてくれた。早速買いに行った。うどん、そば、ビール等と並んで、ナメコ汁があった。「この地特産のナメコ汁」と看板が掛かっていた。山の頂上で温かい味噌汁が飲めるとは思ってもいないことだった。さすがに大都会東京だなと思った。ナメコ汁は温かくて美味しかった。
 
 午後1時親切にしてくれた男性と別れ、城山から小仏峠へ向う。尾根道を少し行くと茶店が見えて来た。ここにも茶店がある。この辺りに残る自然を求めて東京の人たちがたくさんやって来るのだ。平日でも営業しているとは、相当たくさんの人が来るのだろう。「地元産のキノコはいらんかい」とおばあさんが私に声を掛けた。籠に入ったナメコやヒラタケが店先に並べてある。「美味しそうなキノコですね。旅をしていなかったら買うのだけどね」と私が言うと「旅をしているなら仕方ないね」とおばあさんは残念そうな顔をした。さっきの店に比べると、ここはあまり繁盛しているようには見えなかった。

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 小仏峠の道標と旧甲州街道についての説明板があった。それには「小原宿から小仏峠へ続く旧道が残っている」とあった。しっかり調べていたらその道を歩いていたのだろうが、気ままな旅だからこういうことになったのだと反省した。
 
 小仏峠から旧道を下りて行った。時々、道を上って来る人と擦れ違った。30分ほど下ると、舗装道路になった。八王子市という表示がある。とうとう東京都に入った。小仏バス停を過ぎ、きれいな川が見えて来た。道は川に沿って下って行く。川のすぐ横の山中を中央本線も走っている。時々列車が通過する音が聞こえて来た。

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 家の壁や掲示板に「圏中央道反対」のポスターが貼ってある。天狗がギョロリと目を剥いて睨みつけている迫力のあるポスターだ。高尾山にトンネルを掘って、高速道路を通そうという計画があるようだ。東京に残る貴重な自然を壊してまで高速道路を通す必要はないと思った。

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 道の両側に小奇麗な住宅が並び大きな町になって来た。小さな公園が見える。近付いて行くと、竹垣に囲まれて道標が小さな立っていた。ここが親切な男性の教えてくれた小仏関所跡だった。碑だけしか残っていないのが残念だった。
 
[ 2012/05/02 13:11 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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