水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

団塊世代の親父のブログです。
水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記 TOP  >  スポンサー広告 >  ふらり きままに >  アラン・ブースが歩いた奥美濃を歩く  1-1

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

アラン・ブースが歩いた奥美濃を歩く  1-1

プロローグ 

 今、私の手元に一冊の本がある。イギリス人作家、アラン・ブースが書いた「飛騨白川郷へ」という徒歩旅行の思い出を綴った紀行文である。今年の二月、鶴舞の古本屋で見つけたものだ。

 読んで見ると、今から十年前、デザイン博が名古屋で開かれた年に、そのデザイン博会場から白川郷までを歩き通した時の紀行文であった。さらに衝撃的だったのは、それを書いたアラン・ブースは、一九九三年、四十六才という若さで、癌のためにこの世を去っていた。この本は彼の最後の作品だった。彼が歩いた名古屋から白川郷までを私も歩いてみたいと、その時から思うようになった。

 
第1日目 美濃太田から湯之洞温泉まで その1

 最初のチャレンジの日がやって来た。名古屋から美濃太田までは、今までに二回ほど歩いていたので、美濃太田から先を歩いてみることにした。一泊二日の計画で、今日は、美濃市の辺りまで歩ければよしと目標を決め、午前十時、美濃太田駅前を出発した。

 天気は快晴。真夏の暑い日差しが照りつける国道二四八号線は、車は激しく行き交っているが、歩道があり比較的歩きやすい道だった。この国道のすぐ横を長良川鉄道が走っている。時折、ボディーがカラフルに塗られた列車が走って行くのが見える。アラン・ブースは鵜沼から日本ラインの舟が下る木曽川沿いを通り、坂祝町で国道十九号線と分かれ、関へ通じる道を歩いて行ったようだ。「右 坂祝」という道標が見える。坂祝から歩いて来たアラン・ブースはここで、この国道に合流したのだろうか。 

 時刻はそろそろ十二時。どこかで昼食をとらなくてはと、店を探しながら歩いて行く。店がたくさんある所では、「今日は、中華にしようか、和食にしようか」などといろいろ考えられて、結構楽しいものである。しかし、店が一軒もない所では、「どこかにコンビにでもいいからないかなあ」ととても心細い気持ちで歩いているのである。今、歩いている道は、関の近くなので、所々に食堂やレストランがある。今日の場合は「中華にしようか、和食にしようか」である。

 大きな看板がみえる。「そば、うどん」と書いてあり、駐車場には車もたくさん並んでいる。迷わずにそこに入ればよかったのに、なぜか私は、「満員はやめよう」と、その店に入るのを躊躇し、すぐ隣にあった大きな中華料理店の方に入ることにした。入る時に「うぬー、駐車場に車がほとんど止まっていないぞ」と不思議には思ったのだが、ドアの豪華さにひかれて中に入ってしまった。昼時というのにだだっ広い店の中には、客が一人もいなかった。

 「しまった。たいへんな店に入ったぞ」と、気づいた時には、暇そうに座敷に座っていたおばあさんが、「注文は何にしましょう」と水の入ったコップとお絞りを持って、私の所にやって来た。もう引き返すことはできない。覚悟は決めたが、「ちょっと待って」と、店内を見まわした。壁にいろいろお品書きが貼ってある。いろいろメニューはありそうだが、この店で一番安い五百円のラーメンを注文した。よく見ると、店のテーブルの下に冬に使う石油ストーブがそのままの状態で置いてある。流行らない店であることを確信した。

 冷たい水を飲んでしまい、お代わりをと思って、カウンターを見ると、水の出るクーラーが置いてある。コップを持ってそこへ行こうとすると、おばあさんが、「それは故障しています」と、別のところからポットを持ってやって来て、冷たい水をついでくれた。何から何まで最悪の状態である。

 いよいよラーメンが出来あがった。どこにでもありそうなラーメンに見えたが、一口食べて、びっくり。スープは砂糖でも入っているのかと思えるほど甘くてとても飲めるものではなかった。最悪のラーメンをとにかく口に入れて、早々の体でその店から退散した。私がいた昼時の二十分間にこの店へやって来た客は一人としていなかった。やはり、国道沿いでも、この店の味をこの辺りの人はよく知っているようだ。

 再び、単調な国道を歩き、一時過ぎ関刃物会館に到着。中に入ってしばらく休憩をとる。クーラーがよくきいている。陳列ケースには関名産の刃物が並び、品物にはほとんど値札が付いている。みごとな飾りの付いたナイフには、一万五千円の値札が付いていた。会館の前は広い駐車場になっていて、関へ観光でやって来た人たちがここでみやげを買っていくのだろう。
[ 2012/05/11 09:09 ] ふらり きままに | TB(1) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

まとめtyaiました【アラン・ブースが歩いた奥美濃を歩く  1-1】
プロローグ  今、私の手元に一冊の本がある。イギリス人作家、アラン・ブースが書いた「飛騨白川郷へ」という徒歩旅行の思い出を綴った紀行文である。今年の二月、鶴舞の古本屋で見つけたものだ。 読んで見ると、今から十年前、デザイン博が名古屋で開かれた年に、その...
[2012/05/12 00:23] まとめwoネタ速neo
プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。