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水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

団塊世代の親父のブログです。
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北海道スケッチ旅行 第5日目

第5日目(5月20日) 苫小牧~新冠

空は曇っていますが、雨は上がりました。北海道へ来てからずっと雨が降り続いていましたから、雨雲と一緒に旅をしているようでした。

カラマツ林の中で、小鳥の鳴き声を聞きながら昨日描いたスケッチに色を付け始めました。カッコーの鳴き声が聞こえて来ました。アカゲラの鳴き声も聞こえます。

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小鳥たちの美しい鳴き声を聞きながらスケッチをしていることが本当に不思議でした。
2年前には子どもたちと教室で悪戦苦闘していたのですから、信じられない時を過ごしているのだと思いました。
教員を退職してから、もう少しで2年目を迎えようとしています。「気ままに生活するのは2年」と決め、退職してからは、気ままな旅を繰り返してきましたが、そろそろ今後の自分の生き方を決めなければいけない時期になりました。今回の北海道旅行ではその結論を見つけることも目的の一つにしていますが、まだ私にはその結論は見えていません。描いたスケッチは何とかカラマツ林らしくなったようです。

お湯を沸かし、味噌汁とおにぎりの朝食を済ませ、大沼公園のスケッチに出掛けました。錦大沼にはカヌー基地がありましたが、時期が早く、カヌーはまだ、小屋の中にしまってありました。歩道の横には大きなフキの葉が開き、小さな流れの渕にはコゴミが一杯芽吹いていました。芽吹いたばかりの新緑が淡い光を放っていました。丸木橋に座ってスケッチしました。1時間近くがあっという間に過ぎてしまいました。集中して描いたスケッチは満足のいくものになりました。

苫小牧から日高に向かって国道235号線を走って行きました。「日高自動車道」という建設中の高速道路が国道のバイパスになっていました。北海道の国道はどこも広くて、車は高速道路並の80km近いスピードで走っています。どうして高速道路が必要なのか、本州に住む私にはとても不思議に思います。建設中の「日高自動車」を時速100kmで飛ばしました。軽自動車には酷なスピードだと思いました。
 
コンビニの駐車場に車を停め、昼ごはんにしました。そこへ釧路ナンバーの車に乗った夫婦連れがやって来ました。「富山から来ているのですか。北海道には梅雨がありませんが、近々本州を旅行する予定です。梅雨はどんな感じですか」親父さんが尋ねてきました。「北海道へ来てからずっと雨が降り続いていますが、雨はこんな感じです。もちろん気温はもっと高いですが」私は答えました。「今年、定年退職し、車で全国を回るのを楽しみにしているのです。今回は手始めに道南を回っているのです」親父さんはにこにこしながら話していました。
 
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「日高ケンタッキーファーム」へ行きました。小雨が降り出しました。本当に雨雲と一緒に旅をしているようです。この牧場は、日本最初の観光牧場という説明がありました。乗馬やアーチェリー、釣りなどが楽しめ宿泊できるロッジも並んでいました。それにして入場料500円は高いなあと思いました。シラカバ林に囲まれたロッジはなかなかの雰囲気がありました。小雨の中でスケッチし、車の中で色を付けました。それなりに雰囲気のある絵になりました。

門別町の海岸で一休みしました。高速運転は疲れます。30分走っては休憩するというペースで走っています。
相変わらず細かい雨が降り続いています。風も少し出ていて、海には白波が立っていました。

今年の冬に、襟裳岬のコンブ漁を見ました。荒れ狂う大波でコンブが海岸に打ち寄せられるのですが、漁師たちは、ドライスーツを着て海へ入りそのコンブを拾い集めていました。氷点下15度近い気温の中、海水温度はマイナスではないのでしょうが、それは厳しい漁でした。黙々とコンブを拾う漁師たちの逞しさに感動しました。今回の旅もその襟裳岬へ行くつりです。季節は早春。もうコンブ漁は終わっているかも知れませんが、あの海を見たいものです。

そんなことを考えながら、海を見ていました。そこへ軽トラックがやって来て停まりました。黒いドライスーツを着た親父さんが降りて来て、海岸の岩場へ行きます。親父さんは、岩場に流れ着いたコンブを拾い始めました。しばらくして、親父さんはコンブを抱えてトラックの所へ戻って来ました。季節は春になりましたが、まだコンブ拾いは続いているようです。コンブ拾いは、日高地方一帯で行われていることを知りました。「天候がよくないから、いいコンブには干せんな」親父さんは残念そうな顔をして話してくれました。

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小雨に煙る北海道の海岸をスケッチしました。険しい断崖が果てしなく続いている海岸線は、やはり北海道だけでしか見られない風景だと思いました。その間も親父さんのコンブ拾いは黙々と続いていました。労働は厳しいものなのです。私も本気になって旅をしなくてはいけないのです。

新冠の町で民宿を見つけ、宿泊することにしました。「食事の用意は無理です」と断られました。素泊まり4000円でした。

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雨が上がったので、スケッチブックを持って海岸へ行きました。小高い丘の手前に大きな川があり、日高本線の長い鉄橋が架かっていました。小高い丘の下にはトンネルがあり、鉄橋はそこまで続いていました。列車に乗っていては絶対に見られない風景でした。これは絵になる風景だと思いました。早速、土手に座りスケッチを始めました。遠くの川原で花火の音がしました。季節外れの花火でした。よく見ると、中学生たちが花火で遊んでいるようでした。

「新冠」と云えば「サラブレッド」というイメージです。「ナリタブライアン記念館」「サラブレッド銀座駐車公園」などの施設が建てられていました。全国からサラブレッドに会いにたくさんの人が訪れているのでしょう。その中にこの海岸風景も加えたらどうかと私は思いました。私のスケッチでは上手く表現できませんでした。
夜は、今回の旅では初めて飲み屋へ行きました。期待していた魚料理は残念ながら外れでしたが、カラオケを歌いに行ったスナックのママさんはたいへんユニークな人でした。絵を描くのが趣味だということでしたが、ママさんが描いた馬の絵は迫力があり、その絵を付けて走っているトレーラーもあるという話でした。そう云われてみれば、馬の絵を付けて走っているトレーラーを見たことがあるように思いました。「旦那が死んでから、商売を1人でやるようになり、絵を描く暇がなくなってしまいました」ママさんは、残念そうに話していました。「あそこの風景はいいですね」ママさんも頷いていました。



[ 2012/05/24 21:44 ] ふらり きままに | TB(1) | CM(0)
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[2012/05/25 03:43] まとめwoネタ速neo
プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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