水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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春の小豆島を歩く ふしぎな旅 1-2

第1日 姫路~小豆島安田 その2


 9時45分定刻通りにフェリーは出航した。福田港到着は11時25分。波もほとんどない穏やかな春の瀬戸内海を船はゆっくりと進んで行った。小豆島を案内するパンフレットが置いてある。「小豆島は周囲140km、人口およそ4万人、オリーブと小説『二十四の瞳』の舞台になった土地…」と紹介してある。小豆島は予想以上に大きな島のようだ。

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 11時25分定刻通りにフェリーは福田港へ到着した。ほとんどの人は車で慌しく出発してしまい、桟橋には私一人だけがぽつんと取り残された。小豆島をのんびり旅行する人はいないようだ。福田の町は漁師町という雰囲気が漂っていた。今日宿泊する宿を見つけなくてはならない。港にある売店へ行って聞いてみることにした。
「ここには、旅行案内所はないのですか」と、私は売店のおばさんに話し掛けた。
「福田には案内所はないのです」おばさんの少し困ったような表情が見えた。
「小豆島を歩きに来たのですか、今晩泊まれる宿はあるでしょうか」
「どの方面に歩いて行くの」船で届いた荷物を整理する手を休めて、おばさんは私の相談に乗ってくれた。
「東海岸を歩いて安田へ行きたいのだけど」

「安田にはお遍路宿の『ひろきや旅館』があるから電話したら。今日は平日だからたぶん泊れるわよ」おばさんはパンフレットを開いて電話番号を調べてくれた。さっそく電話をした。
「1人で旅しているのですが、今晩泊れるでしょうか」と言うと「お遍路さんですか。いいですよ」と、快い返事が返って来た。小豆島の第一歩で、無事宿も確保でき、幸先のよいスタートになった。この時、何気なく聞いた「お遍路さんですか」という言葉が実は重大意味を持っていることに気付くのは宿についてからだった。
「良かったですね。いい旅になるといいですね。気を付けて」とおばさんに見送られて港を出発した。
 昼ご飯は、港のすぐ近くにある食堂で食べた。定食を注文する。讃岐うどんにいなり寿しが付いて来てそれで500円だった。「これは、しっかり運動しないといけないなあ」と感じる程のボリュームがある定食だった。

 福田港から国道436号線を歩いて行く。1車線の道路に歩道はない。路側帯があり、急カーブになっている所は少し危険を感じたが、車も余り通らないので、比較的安全に歩いて行ける。緩やかな上り道を歩き詰めた所で、振り返ると福田港が霞んで見えていた。行く手には緑の山と険しい断崖と瀬戸内海の青い海が広がっていた。
 前方に切り立った崖が見えてきた。採石場のようだ。地図を見ると「大阪城築城残石」という表示も載っている。小豆島から石を切り出し、大阪城を作ったという歴史があることをここで始めて知った。歩いて来る道の脇に石のモニュメントが置かれていたが、今でも小豆島は石の山地となっているのだろうか。

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「凄い崖ですね。ここの石を切り出して加工するのですか」採石場でブルドーザーを修理していた男性に話し掛けた。「この石は全部砕いて砂利にするのですよ」と男性は教えてくれた。採石場の周りには巨大な石の塊が幾つも積み上げられていた。加工すれば立派な建築材料になりそうだなと思った。

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 1時間ほど歩いた所に史跡があった。「大阪城石垣石切丁場跡」で「大阪冬、夏の陣によって破壊された大阪城を改築するために、ここから石が切り出された」と説明がある。遊歩道が作られているので、見学して行くことにした。道の行く手に大きな石の塊がある。よく見ると石を刻んだ跡が残っている。その中でも「八人石」と呼ばれる巨大な石には驚いた。「石を割ろうとして事故が起き8人の人が犠牲になった」と表示されていた。江戸時代に、この山の中から石を切り出し、大阪まで苦労して運んで行った人たちの努力とエネルギーには感心した。

 そこから少し行った所に「豆腐石切場」の立札があった。「豆腐」という名前がおもしろいので、行ってみることにした。荒れた山道を上って行くと、木が倒れていて、とても歩けない状態になった。「もう止めよう」と思いながらも、木を掻き分けて歩いて行くと、小さな小屋が目に入った。小屋のガラス窓を見て、ビックリ。何と小屋の窓からたくさんの猫が私を見ているのだ。その数は10匹を裕に越えていた。小屋の外にも猫たちが群れていた。辺りには猫の小便の異臭が漂っていた。小屋の中には人の気配も感じられた。人知れず猫たちと暮らす人の話はよく聞くが、ここにもそんな人がいたのには驚いた。早々にそこから立ち去った。

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 南風台という景色のよい所を過ぎ、坂道を下ると家並みが見え始めた。橘という町のようだ。前方には不思議な形をした山が見える。切り立った絶壁が聳えている。地図には拇指嶽と書いてある。絶壁が親指の爪の形に似ているからそういう名前が付いたのだろうか。安田までは後6kmである。時刻は午後3時。ここで少し休憩することにした。バス停の前にある小さな商店に入った。店の中では3人のおばさんが忙しそうに商品を袋に詰めていた。




[ 2012/06/05 18:46 ] ふらり きままに | TB(1) | CM(0)
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第1日 姫路~小豆島安田 その2  9時45分定刻通りにフェリーは出航した。福田港到着は11時25分。波もほとんどない穏やかな春の瀬戸内海を船はゆっくりと進んで行った。
[2012/06/08 14:16] まとめwoネタ速neo
プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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