水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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春の小豆島を歩くふしぎな旅 3

第3日 寒霞渓谷

 午前6時45分に「朝食の準備ができました。食堂へお来しください」と館内放送が入る。荷物の準備を終えて食堂へ移動した。途中で女将さんに会ったので、「今日もう1泊したいのですが」と告げる。「いいですが、新しい団体さんが今日から泊りますから、部屋を変更させていただきますよ」と女将さんから返事が返って来た。お遍路宿は繁盛しているようだ。

 食堂は老人たちで満員だった。昨日、風呂で会ったおじいさんがみんなの世話をして頑張っていた。係りの人から話があり、般若心経の唱和が始まった。私とバスの運転手さんの3人は昨日の朝と同じように般若心経の流れる中で食事を始めた。運転手さんは別にしても、信心のない私のような者が、お経を無視して食事をしているという無礼な行為に対して老人たちも宿の人たちも寛容だった。不思議な雰囲気の中で食事は終わった。

 午前7時半に旅館を出発した。今日のウオ‐キングは寒霞渓谷周遊コースだ。旅館のご主人が出掛けに道を詳しく教えてくれたので、その道を歩いて行く。国道から一つ中にある細い道だ。途中、極楽寺、一の谷庵、清見寺とお遍路さんの霊場になっているお寺の近くを通る。お寺へ向かうバスを何台も見た。小豆島はお遍路さんによって経済の一部が支えられているように思った。

 寒霞渓谷へ向かう道に出た。丸島醤油という工場がある。ここへ来る途中にも醤油工場があった。小豆島は醤油の生産が本当に盛んなようだ。寒霞渓谷への道は歩道のある立派な道だ。最近整備されたばかりのように感じた。ブルーラインと呼ばれるドライブコースに繋がっていて、小豆島を代表する観光コースになっていると説明がある。行く手に高く聳える山が見える。寒霞渓谷をつくる山々である。頂上を目指して上って行く。

 家が次第に少なくなり、やがて、のどかな田園風景に変わった。椿の赤い花が咲き乱れている。桜の季節にはまだ早いようだ。道が次第に急坂になって行く。高度がぐんぐん高くなり、振り返ると瀬戸内海がかなり下の方に見えていた。

 道路の右端に遍路道という石の道標を見つけた。そこからは遍路道を歩いて行く。静かな山道をゆっくり上って行く。木々からは新芽が吹き出し、竹は新緑の光を放っていた。その中で、ウグイスが鳴き始めた。「ホーケキョケキョケキョ…」美しい鳴き声である。遍路道を歩けば素晴らしい自然と巡り合えることを発見した。大勢の人に紹介したい道である。

 遍路道を上り詰めた所に池があった。猪谷池で、徳川吉宗の時代に作られたもので、小豆島内海町の人たちの大切な水源になっていると説明がある。ここから石門洞へさらに急な坂道を上って行く。石門洞は第十八番霊場になっている。バスが狭い道を下って来た。お遍路さんがたくさん乗っていた。

 坂道を上って行くと所々に立札がある。そこからはおもしろい形をした岩が見え、螺貝岩、大亀岩などと名前が付いていた。石門洞から上る道を裏8景といい、ロープウエーを周るコースが表12景というのだそうだ。この景色もやはり歩かないと見られない。お遍路さんたちにはそんな余裕はないのだろう。

 池から15分ほど上った所に石門洞があった。お寺は洞の中に作られていて名前の通りのお寺だった。ここから頂上へどう行けばよいか分からなくなってしまった。困ったなあと思っていたら、お寺から奥さんが出てきて、「頂上へは石門の間を抜けて行ってください」と教えてくれた。

syodo7.jpg

 石門を抜けると道標が立っていた。道標が石門の入口にあれば迷わないのにと思った。急な坂道をゆっくり上って行くと、見晴らしのよい場所に出た。松茸岩という表示がある。おもしろい形をした岩が正面にあった。かなり高く上ってきたようだ。遥か彼方に海が見えた。展望台まで後500mという表示がある。息を切らしながら上ってロープウエーのある展望台に到着した。時刻は10時を過ぎていた。

syodo8.jpg

 時間に余裕があるので、もう少し上ってみることにした。展望台から広い歩道を歩いて10分ほどで標高671mの三笠山山頂に着いた。そこからさらに奥に星ケ城がある。小豆島の最高峰で標高817m、南北朝のころ佐々木信胤が築いた城跡があると説明がある。そこへも行ってみることにした。急な上り道を30分ほど歩き、小さな社の前を通り過ぎた。しばらく行くと見晴らしのよい場所に出た。大きな岩の上に立ち、遠くの山々や海を眺めた気分は最高であった。日本三大渓谷美の一つとも賞されるだけあり、険しい崖と岩がつくる景色は素晴らしかった。スケッチブックを出して絵を描き始めたが、山肌の崖を思うように表現できなかったのが残念だった。

 時刻は12時近くになっていた。展望台に戻る。下り道なのであっという間に着いてしまった。展望台の食堂でうどんを食べた。讃岐うどんは腰があり美味しかった。

 展望台から表12景を下る。皿投げをする所があった。大きなリングの中を通ると願い事が叶うのだろうか。10枚で200円。若者と老夫婦が皿を投げていた。

syodo9.jpg

 険しい岩や崖をすぐ目の前に見ながら道を下って行く。展望所も所々に作られ、本格的な観光の季節になればたくさんの人で賑わっているのではないかと思った。見晴らしのよい場所では、スケッチをしながら下って行った。緩やかな遊歩道も整備されとても歩き易かった。途中で道に動物の糞が目立つようになってきた。何の糞なのだろかと思って歩いているといきなり、「キャー」と甲高い鳴き声が聞こえ、すぐ目の前にサルの群れが現れた。突然のことでびっくりしたが、睨んでいたらすごすごと立ち去って行った。

 ロープウエーの乗り場から広い道路を歩き、トンネルを通って猪谷池に戻った。その後はお遍路道を歩き、寒霞渓谷を一周した。今日歩いた道も、自然あり、景色あり、歴史との触合いありの素晴らしい道だった。たくさんの人に薦めたい道である。

午後4時半過ぎ、旅館に戻った。入口でおばあさんが忙しそうにスリッパを拭いていた。「大変ですね」と声を掛けると「明後日からお客が増えて、100人になるんですわ。風呂のある別館も満員になってしまいます。お遍路さんの季節が本格的に始まるのです」と話してくれた。

「歩いている人はいませんか」「歩き遍路さんもたまにいますよ。そうそう、4月24日に全国からこの小豆島へ歩き遍路さんがやって来ます。その時は町々でお接待をするのですよ。貴方も歩きに見えたらどうですか」おばあさんは、にこにこしながら私を見つめた。

 部屋が変わり3階の一番奥の部屋になった。昨日よりもたくさんの人が今日は泊るようだ。風呂に入り、6時の食事時間になったので食堂へ移動した。食堂にはたくさんのお膳が並んでいたが、誰もいなかった。広い食堂で1人で食事を始めた。食事が半分ほど終った頃、お遍路さんたちが入って来た。食堂は満員になった。昨日よりもたくさんの人たちだった。お坊さんの話があり、やがて般若心経の唱和が始まった。少し慣れた感じで食事を進めた。しかし、やはり不思議な雰囲気での夕食だった。

 明日は土庄町まで歩き、「二十四の瞳 平和の群像」を見て小豆島の最終日とすることにした。午後9時消灯。明日も天気はよさそうである。




[ 2012/06/10 08:04 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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