水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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北海道最北端から歩く

第8日 手塩から遠別

 午前五時、起床。快晴。今日は、暑くなりそうである。洗面を終わり、荷物を整理する。パンフレットや記念品などの荷物が少しずつ増え、リュックが、前より重くなったようだ。
 
 午前七時、食堂へ行く。全員揃っての朝食が始まった。もちろん味噌汁には、シジミが出た。この民宿には、水彩の絵がいろいろな所に飾ってある。この食堂にも飾ってある。どれも、透き通った感じの色彩で、作者の優しい心が、伝わって来る作品ばかりだ。この民宿の息子さんが、描いたものだった。昨日も、私が外へ出かけようとして、居間を覗くと、息子さんが、熱心に絵を描いていた。中でも、玄関に飾ってあるブナの林の中を歩く少年の姿を描いた作品が、印象に残った。私も写真ばかり写していないで、素晴らしい風景を描いてみたら、面白くなるかも知れないのだろうが、その才能がなかった。私は、写真でがんばろう。

img7300.jpg手塩小学校

 午前八時、出発。天塩からの道は、立派な歩道が付いていて、とても歩き易い。遠別までは約二十キロ。この調子だと十二時には到着できそうである。

img7301.jpg
 
 今日は、十四日のお盆である。今まで走っていた、トラックやダンプの姿は、ほとんど見かけなくなり、自家用車が、たくさん走っている。旭川や札幌ナンバーの車に交じって、本州ナンバーの車も走っていた。数十台の車が、団子になって走って行ったかと思うと、しばらくして、また、団子になった車が通過して行く。一台の遅い車が、そのような状態を作り出しているようだ。その中を、無謀な車が、追い越しをかけて行く。カーブになったり、峠になったりして、向こうが見えない所でも、平気で追い越しをかけている。「あっ、ぶつかる」と、ハラハラする場面も時々ある。このスピードでは、衝突すれば、ケガぐらいではすまない。北海道で死亡事故が多い理由が、よく分かった。
 
 緩い上り坂になった所で、二台のバイクが止まっていた。「どうしたのですか」と声をかけると、「バイクが急に動かなくなってしまって、困っているのです」と、二人の女性が、携帯電話で修理屋に電話を掛けていた。近くに町がないから、車を修理するにも、時間がかかるから大変なのだ。「貴女たちは美人だから、手を上げてバイクを止めたら、きっと直してくれるよ」と言うと、二人は笑っていた。私は、すぐ歩き出しが、その後、彼女たちは、本当に手を上げて、バイクを止めたかも知れない。美人たちだから、きっと、たくさんのバイクが急停車したことだろう。

img7302.jpg
 
 淡々と道を歩いて、午前十一時四十五分、今日の目的地、遠別に到着。街中を歩くと、五分ほどで町の外れに出てしまった。宿屋は三軒ほど見かけた。どこかで泊まれそうな気がした。
 
 「海航」という名の居酒屋を見つけ、中に入る。十二時前で、客はだれもいない。メニューを見ると、いろいろな品が並んでいる。「この店のおすすめは、何ですか」と若主人に言うと、「ヒラメの唐揚げが、美味しいです。今日、私の父親が、海で獲ってきたものです」と、まだ生きているヒラメを、見せてくれた。注文は、それで決まった。若主人は、料理を作りながら、私の話をいろいろ聞いてくれた。「この町に、町営の旭温泉というのがありますから、昼から入りに行ってはどうですか。バスはすぐ前の、町役場から無料で出ていますよ」と勧められる。
 
 img7303.jpg

 調理に、まだ時間が掛かりそうなので、町役場に、バスの時刻表を見に行く。受付の女性に、温泉行のバスについて尋ねると、「午後一時三十五分に発車します」と、親切に教えてくれた。せっかく遠別まで来たのだからと、この町を紹介するパンフレットを求めると、資料を探しに、わざわざ役場の受付まで行ってくれた。改めて、北海道の人の親切を実感した。 

 居酒屋に戻ると、料理が出来上がっていた。ヒラメの唐揚げに野菜の煮物、ホタテの味噌汁等があり、美味しい味だった。若主人に、今日泊まる旅館も紹介してもらった。それで、福井館に決まった。
 
 午後一時三十五分、役場前を、マイクロバスは発車した。乗客は三人。そのうちの二人が、風呂に入る客で、もう一人は、従業員。マイクロバスに乗って十五分ぐらい走ると、旭温泉の建物が見えてきた。山の中の湯治場という雰囲気がする建物である。 旭温泉は、昭和四十七年に発見され、現在に至っているという。

入口で、入浴料の四百円を払い、中に入る。休養室や食堂があり、たくさんの人で混み合っていた。さっそく、風呂場へ行く。黄色い色をした湯船がある。豊富温泉のことを思い出したが、ここのお湯は石油ではなく、鉄分を含んでいて、こんな色をしているのだそうだ。ゆっくり湯船でくつろぐと、疲れが飛んで行くようだ。次のバスが発車するのは、午後四時。休養室でのんびり過ごす。

 今回の旅で起きた出来事が頭を過ぎる。名古屋から稚内に着いた時は、「車がビュンビュン走る道を、本当に歩いて行けるのだろうか」と、とても不安な気持ちで一杯だった。それが、たくさんの人と出会い、いろいろと助けてもらい、ここまで無事歩いて来ることができた。自分の家族である親父や妻や子どもたち、それに、職場で相談にのってくれた同僚たちも、今回の旅をとても心配していた。そんな皆の心配をよそに、のんびりと温泉につかり、旅を満喫している自分は、幸せ者だと思った。

 休暇は、二十一日まで。今日は十四日だから、後、一週間である。宗谷岬から歩く目的地だった札幌が、旭川になり、それが、今は「留萌までは歩こう」と、どんどん距離は縮小していた。九月には、教室で子どもたちと向かい合い、一緒に頑張っていかなくてはいけない。その手掛かりが、何となく、見えてきたような気はしているが、残りの一週間で、はっきりしたものを見つけ、この旅を、終了させなくてはいけない。

img7304.jpg

 午後四時十五分、マイクロバスに乗り、再び、遠別の街中へ戻った。今日の宿「福井館」は、年季の入った建物だった。女将さんは、とても愛想のよい人で、いろいろ世話をしてくれる。「洗濯したいのですが」と言うと、「どうぞ、ここの洗濯機を使ってください。洗剤はここにありますよ」と、洗濯場まで案内してくれた。何と、使用料は無料であった。今までいろいろな宿に泊まったが、無料だったのは、ここが初めてだった。
 
 午後七時、夕食が始まった。いろいろなおかずが、どんどん出て来る。刺身、天ぷら、やっこ、煮物、茶碗蒸、漬け物…そして、何とタラバガニの足まで出てきた。料理の多さには、びっくりした。「ビールをお願いします」と言うと、「隣の酒屋で買って来て」と、不思議なことを言われた。冷えたビールが、切れてしまったのだそうだ。さっそく、缶ビールを、二本買って来た。たくさんのお客で、女将さんはてんてこ舞いだったが、一生懸命働く女将さんの優しい心遣いが、一人一人に伝わっていた。

 午後八時過ぎ、夜の町を見学に行く。お盆だから、店のほとんどが閉まっていた。神社には、提灯がいくつも下がり、お参りをする人の姿が見える。旅館のすぐ近くにあるスナックに入る。店に、客は一人もいなかった。ビールを注文し、いろいろ話をする。ママはさんは、淡路島出身の人だった。「この辺りは、冬には雪が一メートル以上も積もり、除雪にお金がかかって大変ですよ」と教えてくれた。除雪だけで、一冬二十万円もの負担があるとのことだった。雪国の冬は、経済的にも大変なのだ。雪がたくさん積もる話を聞いて、北海道の道路に、車道の線を示す矢印が規則正しく並んでいる理由が分かった。


[ 2012/07/30 08:16 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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