長野県の旅その4 軽井沢・横川 長野から国道一八号線を走り、軽井沢へやって来ました。十年ほど前、 横川から軽井沢まで旧甲州街道を歩いたことがあります。当時は、今ほどウオーキングが盛んではありませんでしたから、旧甲州街道も整備がされ ていなくて、道を探し探し歩きました。碓氷峠を超え、細い道を下るといきなり人通りが激しい街へ出ました。そこが軽井沢銀座よばれる所でした。 今日も通りは、東京がここにあるという感じで、たくさんの人で賑わっています。
長野新幹線が開通して、碓氷峠を超える信越線は廃線になりました。 日本一長いといわれたアプト式のトンネルも使われなくなり、今は、峠の山中に静かに眠っているのでしょう。 旅人は、信越線の最後の列車に乗るため、やって来た日のことを思い出しました。列車は、大混雑でした。各駅ではフラッシュが焚かれ、 沿線のあちこちで手を振る人たちの姿を見ました。今では懐かしい思い出になっていますが、旅人が今でも見たいと思っている風景があり ます。それは、紅葉の木々の中に聳える「めがね橋」です。写真集で見たことがあるのですが、今もその橋は残されているというのです。 「メガネ橋は横川駅の近くにある」という情報を頼りに、横川駅を目差して、軽井沢から旧一八号線を下ることにしました。旧道は、厳 しいカーブの連続です。カーブに番号が付いていることをしばらくして気が付きました。七七、七六、七五・・・とカーブの番号が小さく なっていきます。横川駅まで、まだたくさんカーブがあるということです。

そして突然、視界が開け、目の前に巨大な橋が現れました。見たい と思っていたメガネ橋でした。赤いレンガで造られたメガネ橋は、紅 葉した木々の間に堂々と聳えていました。想像していた通りの風景に 満足顔の旅人でした。
橋の上まで行けるというので、行ってみることにしました。橋の 上に立って驚いたのは、今では、橋もそしてトンネルも、遊歩道になっていて、横川からここまでは、ずっと線路道を歩いてくることが できるのだそうです。東京からのウオーカーで休日は満員になるそうです。廃線になった線路道が、こういう形で復活を遂げているこ とは素晴らしいことです。