伊良湖岬の菜の花畑
名古屋からの帰りは、渥美半島の伊良湖岬から鳥羽へフェリーで渡り、紀伊半島を巡ることにした。ちょっとした旅行になりそうである。
渥美半島に入り、なだらかな丘陵地を走る。暖冬の影響もあるのだろうが、春真っ盛りの天候である。
田原町に入り、ガラス張りの建物があちこちに見え始めた。温室である。ここは電照キクで有名な地だ。そして突然、黄色い絨毯が広がり始めた。菜の花畑だ。黄色い絨毯が太陽にキラキラ輝いている。黄色い絨毯は、伊良湖岬まで途切れ途切れではあったが、続いていた。町が力を入れている様子が伝わって来た。
伊良湖岬
伊良湖岬に到着した。太平洋の荒波が打ち寄せる海岸には、広大な砂浜が広がっている。その砂浜のすぐ横には、立派なサイクリング道路が作られていた。今日は平日なのでサイクリングを楽しむ人の姿は見られない。丘の上に巨大なホテルが建っていた。
「この浜にウミガメが産卵しに来る」と、ずっと昔に聞いたことがあったが、もうウミガメがやって来られるような環境ではないようだ。
島崎藤村が、「椰子の実」の詩を詠んだのもこの浜辺だという。それで、土産物屋には、椰子の実がたくさん並べてあるのだが、今流れ着くのは外国のゴミばかりなのだろう。
若い頃にやって来た伊良湖岬と風景は大きく様変わりし、時の流れを強く感じた。
Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。