岩手県の旅
その3 宮沢賢治記念館 中尊寺からさらに国道四号線を北へ走り花巻に到着しました。本当に駆け足で北へ向っていることが分かります。この花巻は宮沢賢治が生まれた所です。宮沢賢治記念館が市の郊外にあるので寄り道することにしました。
小高い丘の上に記念館は建っていました。黄色や赤色に紅葉した美しい林の中にある記念館でした。旅人は、宮沢賢治の童話が大好きで、子どもの頃から読み親しんできました。その中でも「セロ引きのゴーシュ」や「風の叉三郎」は、小学校時代には何度も繰り返していた記憶があります。きっと痛快なところが気に入っていたのでしょう。大人になってからは「銀河鉄道の夜」に夢中になりました。松本零児作のアニメーション「銀河鉄道 999」が発表されたのは、ちょうどその頃でした。前回、この記念館を訪れた時には、「銀河鉄道の夜」がアニメーションで放映されていました。
記念館の中は十年前とは大きく衣替えしていました。特に目に付いたことは、デジタル映像で賢治の童話を紹介する所がたくさん設けられていたことです。ちょうど「セロ引きのゴーシュ」の童話がスライ ドで紹介されていて、しっかりはまってしまいました。童話を聞き終わって、また新たな感動を覚えました。家へ帰ったら宮沢賢治の童話 集を開いてみようと思った旅人でした。
再び車を走らせ、北へ向いました。盛岡を過ぎ、啄木記念館がある 玉山村も素通りし、夕方には、岩手県を抜けて青森県に入りました。旅の目的地である奥入瀬まで三十キロメートルほどです。今晩は「三戸町の道の駅」で宿泊することにしました。いよいよ明日は、奥入瀬渓谷の紅葉をスケッチできそうです。