「中山道・鳥居峠」を歩く その4 午後2時30分,美しい紅葉の山々に囲まれた奈良井宿に到着した。

奈良井の町は土曜日の午後ということで観光客で賑わっていた。私はさっそく酒屋を見つけ,土産にと木曾の酒として有名な「七笑い」を買った。同僚たちもそれぞれ土産を買っている様子だった。

そばを食べようということになり,そば屋を探す。「そばあります」という看板はあるのだが,なぜかどこの店にも本日休業という案内が出ていてなかなかそば屋が見つからない。とうとう奈良井宿の外れまで来てしまった。すぐそこは奈良井駅である。諦め掛けたところに「そばあります。営業中」の看板を見つけ,やっとのことでそばを食べることができた。
つゆは少し薄味だったが,そばは手打ちで美味しかった。
午後3時41分発の臨時列車「ナイスホリディー木曾路号」に乗車。帰りは自由席だったが車両はがらがらだった。リース作りを趣味にする同僚の足元には袋一杯に詰まった枯れ草が顔を覗かせていた。きっと家へ帰ってから枯れ葉や木の実が素敵な作品に変身するのだろう。
列車は南木曾駅を過ぎていた。太陽が西に傾き,その光を浴びて山々の紅葉は美しく輝いていた。私たちは土産に買った地酒を味わいながら今日の感動の旅を思い出していた。「ぜひ来年も美しい紅葉を見に行こうね」という同僚の声に,私も,紅葉のカラマツ街道を来年も歩いてみたいと思った。