水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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「青春18きっぷ」で山陰・九州を巡る旅 2

第一日目 楡原~城崎  高山本線=北陸本線=小浜線=舞鶴線=山陰本線 

 十二月十一日、月曜日。楡原六時四四分発の富山行普通列車に乗車する。この列車が楡原の一番列車である。高山本線を走るローカル列車は何年か前にワンマンカーになり、本数もどんどん減っている。それも一両とか二両の列車になり、利用客も減りそのうちに走らなくなってしまうのではないかと心配の声が聞こえてくる。一番列車は二両編成である。車内はほとんど客がいない。大きなリュックを荷棚に上げ、まだ暗い車窓を眺め、これから始まる列車の旅のことを考えていた。雨が降り出して、窓が濡れ出した。天気予報は今日から明日にかけて大荒れになり、日本海側では十センチほどの降雪になりそうだと告げていた。笹津で高校生や通勤客がたくさん乗ってきて、八尾で満員になった。旅行に出掛ける人の姿を見ることは出来なかった。七時十九分富山に到着。

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 七時三三分発福井行快速列車に乗車した。天気はますます悪くなり、横殴りの雨が降り出した。金沢までの停車駅に津幡がないのに驚いた。ずっと昔は、津幡は特急も停車した記憶があったのに、今では快速も停車しなくなったのかとびっくりして時刻表で調べると、快速や特急でも通過するものや停車するものといろいろなタイプの列車が走っていることに気が付いた。

 金沢からグリーン色の制服を着た二人の女性が前の席に座った。旅館かホテルの清掃業務をしている仕事のように見える。よく喋るおばさんとフンフンとにこやかに相槌をうつおばさんの組み合わせは絶妙で、この二人きっと息の合った仕事をしているに違いないと思った。二人は小松で降りて行った。
 
 十時十四分福井に到着。十時十六分発長浜行普通列車に乗り換えた。列車はガラガラである。相変らず横殴りの雨が降っている。十一時六分敦賀に到着。ここから小浜線に乗り換え、冬の若狭湾を見ながら走ることになる。小浜線のホームは一番線。列車が発車するまでに三十分近くある。列車が入ってくるまでホームで待つことにした。なぜかホームには待合室がなくて、吹きさらしである。雨は小ぶりになったが、風が強く、薄着で来たことを後悔したが今更どうにもならない。派手なウインドブレーカーを羽織る。売店で、敦賀名産のあなご弁当とカップ酒とつまみの竹輪を買った。あまりの寒さに、取りあえず竹輪をつまみに、カップ酒を飲んだ。しばらくして寒さを感じなくなった。

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 一番線に敦賀終点の、ブルー色をした二両編成の列車が入って来た。この列車が十一時三九分発東舞鶴行普通列車になる。小浜線は昨年の十二月乗ったことがある。その時は雪が舞っている日本海の景色を眺めながらの旅だった。今年は、雪は見られないが、やはり暗い空に覆われた日本海を見ながらの旅になりそうだ。

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 定刻通り列車は発車した。しばらく走ると日本海が見えてきた。海を見ながら食べたあなご弁当は美味しかった。窓ガラスに白い物が音を立ててぶつかり始めた。「アラレだ」と乗客の中から声が上がった。天気予報は確実に当たっているようだ。冬の日本海は白い波が立ち、とても寒そうに感じた。これから旅する山陰地方はこの風景がずっと続くのだろうか。

 十三時五二分東舞鶴に到着した。次の列車の発車まで一時間以上待ち時間がある。駅前の喫茶店に入ることにした。駅前を探したが、喫茶店が見つからず、駅前商店街をしばらく歩いてやっと喫茶店を見つけた。感じのいい店だった。

 十五時十分東舞鶴発福知山行普通列車に乗車。車内はかなり混んでいる。空はかなり明るくなり、雨も上がったようだ。西舞鶴駅に停車。ここは天橋立へ行く北近畿タンゴ鉄道の乗換駅である。天橋立へは行ったことがないので、そのうちに行ってみたいと思っている。列車は綾部から山陰本線に入った。沿線は低い山並みが続く農村風景である。歴史を感じさせる旧い農家が並んでいる。屋根はトタンで覆われているが、その下には藁葺き屋根が隠れているのだろう。何十年か前にはきっと藁葺き屋根が並ぶ家並みが続いていたのだろう。京都と日本海の宮津を結ぶ山陰街道丹波路に沿って列車は進んで行った。
 
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 十五時四九分福知山に到着した。十六時十分発豊岡行普通列車に乗り換える。雨はすっかり上がったが、冷たい風が相変らず吹いている。明日の山陰は雪模様の天気になりそうな感じがする。十七時二四分豊岡に到着。ここで十七時三五分発浜坂行普通列車に乗り換える。今晩の宿泊予定地は鳥取に予定している。この後浜坂で乗り換え、鳥取に着く予定である。山陰本線を走る普通列車は短い区間をぶつぶつに切って走っている。乗り換えがやたら多いので大変不便である。短い区間を走る列車が多いのは全国的にJRの方針のようである。一両編成のワンマン列車はほぼ満席の状態である。
 
 定刻通り列車は豊岡を発車した。真っ暗になった中を列車は進んで行く。志賀直哉の小説で有名な城崎を過ぎた。香住に到着。ここでなぜか列車は停車したままである。運転士が慌しく動き出した。駅員と何か話している。無線も入っている。「何だろうか」と思っていると、運転士から「この先の余部鉄橋が強風で渡れません。この香住でしばらく停車します」とアナウンスがあった。思い掛けぬハプニングにびっくりした。何年か前、強風が吹く中を渡っていた貨物列車が余部鉄橋から転落する事故があった。それ以来、十五メートルを超える風が吹いたら列車は停止するということになったそうだ。 大荒れの天気の中、余部鉄橋ではかなりの強風が吹いているのだろう。

 二十分近く過ぎた頃、運転士が行き先調査を実施し始めた。「どこまで行かれますか」との問いに、ほとんどの乗客が「浜坂」と告げていた。私は「鳥取」です答えた。「鳥取?」と運転士は少し驚いた様子だった。結局調査の結果、浜坂から先へ行く客は、私を含めて2人だけであった。三十分近く待っても列車は発車しない。私の向かいに座るおばあさんは、親戚の不幸があって、浜坂に帰るという話をした。「こんなこと初めてです。電話で迎えに来てもらうしかないかなあ」と困った表情を示していた。乗客の中にはイライラする人もいたが、ほとんどの乗客は静かに発車を待っているという様子であった。こういうことは時々あるのだろう。

 四十分近く過ぎた頃「強風が治まったようなので、これから出発します」とアナウンスが入り、列車は余部に向かって走り出した。外は真っ暗なので風が吹いているのかどうかほとんど分からない。鎧に到着。余部鉄橋を渡るすぐ手前の駅である。運転士には無線が入っているようだ。「風が治まるまでここで再び停車します」とアナウンスがある。なかなか風は治まらないようだ。十分ほどして運転士がハンドルを持って車掌席へ移動して行った。そして「香住へ引き帰すことになりました。香住から浜坂へはバスで代行運転します」という運転士のアナウンスがあり、列車は香住へ戻った。
 
 予想もしなかったハプニングの中、これから私はどうするか。浜坂へ向かうバスの発車は八時五十分ごろになるという。香住駅前にホテルか旅館がないか見回したが、それらしい建物は見当たらない。大きな町でないと宿は見つからない。豊岡へ戻る列車が発車するという。明日からの旅の日程が少し狂うが、気ままな一人旅、旅館がたくさんある城崎へ戻ることにして普通列車に飛び乗った。
 
 九時少し前、列車は城崎に到着した。駅前に停まっているタクシーの運転手から、一人者でも泊れるみよし旅館というビジネスホテルを紹介してもらう。みよし旅館は「一の湯」のすぐ前にあり、素泊まり一泊六千円であった。旅館のご主人は、風呂巡りの案内や食事のできる店の紹介を大変詳しく説明してくれた。旅館は建て付けも古く、六千円は高いと感じたが、有名な城崎温泉街にあるのだから相場としてはこの位なのだろうか。

 早速タオルを持って、一番お勧めの「一の湯」に出掛けて行った。時間も遅く入浴客はほとんどいない。ここは洞窟風呂がメインだという。湯はさらっとしていて温泉に入っているという感じが私にはしなかった。風呂を出た後、近くの居酒屋で食事をした。旅行最初の夜を城崎温泉で過ごすことになろうとは思ってもいないことだった。気ままな一人旅はこれからどんなことが待ちうけているのだろうか。また、思わぬハプニングが起きるのだろうか。そんなことを考えながら、ビールを飲み干した。旅館への帰り道、雪がチラチラ舞い出した。富山県細入村ではもう十センチ近く積雪があるとかみさんは電話口で悲鳴を上げていた。明日の朝は、ひょっとするとこの辺りも銀世界になっているのかもしれないと思った。




[ 2012/12/11 05:43 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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