水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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「青春18きっぷ」で冬の東北から北海道納沙布岬へ 2

第1日 富山県楡原~山形県酒田      (高山本線・北陸本線・信越本線・羽越本線)

 1月7日(日曜日)8時14分楡原発富山行普通列車に乗車した。1両編成のワンマンカーだ。この列車は隣りの猪谷が始発だ。日曜日ということもあるが、車内には数人の客が乗っているだけだ。たった1両で富山まで走るのだから、いかに利用客が少ないか分かる。

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 笹津で10人ほどの客が乗車した。乗車した1人の女子高生が斜め向かいの席に座り、バッグから化粧道具を取り出した。車内でのお化粧作業が始まった。名古屋にいた頃は、バスの中や列車の中で化粧する女性の姿を見慣れていたのだが、この風景は全国共通のようだ。越中八尾を過ぎ、車内はほぼ満席になり、立つ客も多くなったが、富山まで1両編成で十分走れる列車だった。

 8時56分列車は富山に到着した。富山駅構内も雪が積もり、ホームが滑りやすくなっている。明日まで寒波が続き日本海側は大雪になると、出掛けに聞いた天気予報で云っていたが、今日は予定通り会津若松まで行けるのだろうか。

 9時37分富山発直江津行普通列車に乗車。ボックスシートの3両編成だ。立山連峰が見える側の席を確保した…とは云っても、車内はガラガラである。座りたい場所に座れるのだ。車掌が通りかかり、青春18きっぷに乗車証明をして貰う。この切符は、大分で先月旅の途中で購入したものだが、残りは2日ある。北海道に入ってから新しい切符を購入する予定でいる。
 
 列車が走り出し、窓の外に美しい立山連峰が見え始めた。今回の旅行では、いつも持ち歩く一眼レフのカメラと、つい最近買ったデジタルカメラの2台を持ってきたのだが、さっそく取り出して立山連峰を撮り始めた。デジタルカメラは電池がすぐなくなってしまう心配はあるが、撮った写真がすぐ見られるので便利だ。どのように撮れたかさっそく再現モードにした。白い雪を被った立山連峰が小さく映っていた。それにしても立山連峰の姿は美しい。北陸本線を走るならぜひとも雪を被った立山連峰を見てもらいたいと最近思うようになったのだが、列車に乗っている人たちも窓の外の景色をじっと見つめていた。滑川から見た立山連峰が一番かも知れないと思った。

 11時31分列車は直江津に到着した。冷たい風が吹いているが、雪は少なく地肌が見える。豪雪地帯として有名な新潟県だが、雪が少ないのにはびっくりした。12時13分直江津発長岡行普通列車に乗換える。列車は3両編成のボックスシート型。長距離旅行には最適の列車だ。乗客は多いが、ボックスシートが独り占めできた。丁度昼なので、駅弁を買うことにした。ホームでは駅弁の立ち売りをしている。いろんな駅弁が並んでいるが、竹の皮でくるんだようなデザインの越後の小昼(えちごのこびり)という押し寿司を買った。値段は850円。
 
 12時13分、定刻通り列車は発車した。雪は激しくなってきたが、遅れはないようだ。車窓の景色を見ながら、駅弁を食べることにした。包み紙を開けると、中はぎっしりとおかずや寿司で詰まっていた。今までいろんな駅弁を食べたが、こんなにぎっしりいろいろなものが詰まっているのを見たのは初めてだ。何だか食べるのがもったいなくて、しばらく眺めてしまった。魚フライ、漬け物、煮物などをおかずに、マス、ひじき、ワラビ、竹の子の押し寿司を食べ始めた。美味しい味付けで、ビールを買わなかったことを悔やんだ。何と押し寿司が2段重ねになっていて、美味しい寿司をもう一度楽しめたのには感動した。

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 雪はいっそう激しくなり、車窓の景色も単調な白一色である。犀潟、土底浜、潟町、上下浜と海に関係のある駅名が続く。列車が停車してもほとんど乗降客はいない。ホームには雪が積もり始め、天気予報通りの天候になってきたようだ。柏崎を過ぎ、車内は子どもを連れた家族連れの姿が多くなってきた。この列車の終点長岡で新幹線に乗換え、東京方面に帰るのだろう。列車が雪のため少し遅れているという車内放送が入る。
 
 14時、列車は少し遅れて長岡に到着した。14時5分発新潟行普通列車に乗換える。激しく雪が降る中を列車は進んで行く。私の予定では、この先、新津で磐越西線に乗換え、今晩は会津若松で泊まることにしていた。そして明日は郡山から福島・新庄を通って秋田に出るコースを設定していたのだが、時刻表で調べるとそのコースでは普通列車を乗り継いで明日中に秋田へ出ることは不可能だと分かった。いつもながら行き当りばったりの旅だから計画もずさんなのだが、このまま予定通り会津若松へ行くのか、それとも新津で羽越本線に乗換え日本海側を秋田へ進むのか決心がつかないでいた。

 15時列車は少し遅れて新津駅に到着した。ホームの階段を上り、磐越西線のホームへ歩いて行った。手前のホームに停車中の酒田行普通列車が目に入る。発車は15時5分となっている。会津若松行の発車は16時2分。待ち時間が1時間もある。「この寒い中で1時間も待ちたくない」という気持ちが起きる。急遽予定変更、待ち時間のない酒田行普通列車に乗車することにした。会津若松へ行くのは、またの機会となった。列車に乗ると同時に、ドアが締まり列車は発車した。この列車が唯の酒田行普通列車でなかったということは、それからしばらくして分かるのだが…、だから行き当りばったりの旅は楽しいということなのだろう。

 「この列車は、村上行です」と車掌の放送が入る。「今日は酒田まで行きません。酒田へ行く方は村上からバス代行になりますので、ご承知ください。酒田までは車掌も一緒に参りますのでご安心ください」「えっ、バス代行!」昨年、山陰を旅行した時に、余部鉄橋が強風で渡れずに、バス代行に遭遇したことはあったが、あの時はバスに乗るのを止めて、城崎まで引き返してしまった。ずっと旅行はしているけど、こんな機会はめったにない。今日は2度目のチャンス。絶対に経験してやろうとワクワクする気持ちが起こって来た。(本当は喜ぶべきものではないと思うが)

 車掌が検札にやって来た。乗客に行く先を聞いている。「酒田です」と私が答えると、「大変申し訳ございませんが、この先村上でバスに乗換えてもらいますので宜しく願いします」と丁寧に案内してくれた。「いえいえ、いいのです。私は巡って来たチャンスを喜んでいるのですから、こちらからありがとうございますとお礼を言わなくてはならないほどです」と答えたかったのだが、無言のまま切符を見せた。

 途中停車している駅で特急列車が向かい側を通過して行った。バス代行しているというのに、特急列車が走っていることが少し変だと思い始めた。相当の台数を確保しないと特急列車の乗客は運べない。一体何台のバスを使っているのだろうか。車掌が通りかかったら質問してみようと思った。高校生がたくさん乗り込んで来た。どうやらこの子たちも村上より先に行くようだ。「村上でバスに乗るんだ」と話している。

 車掌が通りかかったので質問した。「特急も走っているので驚いているのですが」「あっ、それですか。村上と間島の間で大波を受けて線路の下り側が崩れてしまったのです。そこが単線になってしまいました。村上から桑川までの間に列車を切り替えるポイントがありません。時刻表の関係で、普通列車の一部をバス代行で運転しているのです。特急列車はそのまま走っています」と、村上駅の図を書いて親切に説明してくれた。「普通列車の間引き運転でバス代行になっている」というのが今回の理由だった。何事も特急列車優先のJRの姿勢はここでも見事に貫かれていた。

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 定刻より20分遅れて、村上に到着。駅前に停まっている観光バスに乗車した。車内はほぼ満席だった。親切に説明してくれた車掌も一緒に乗り込んだが、バスにも車掌がいて、途中の駅での仕事はその車掌がしていた。バスは、桑川までの駅に順番に停車しながら進んで行った。国道は列車の線路に沿うように走っていた。暗くなった海は荒波が立っているようだった。昼間ここを通ったら景色がとてもいいだろうと思った。

 17時25分列車の到着時刻より15分遅れて桑川に到着した。バス代行もそんなに遅れないことが分かった。のんびり走る普通列車よりもバスの方が速いのかも知れない。桑川で停車していた酒田行普通列車に乗車した。もちろん親切に説明してくれた車掌がこの列車で車掌としての仕事を始めた。とてもはりきって仕事をしている様子が車内放送から伺われて楽しい気分になった。

 19時40分雪が激しく降る酒田に到着した。酒田は山形県の中では大きな町で、歴史的にも古い建物がたくさん残っている。「おしん」の撮影が行なわれた場所もあるという。駅前通りに出ると、道は雪が凍りつき、アイスバーン状態であった。さっそく宿泊するホテルを探す。大きなホテルが幾つも建っている。その中からα‐1というホテルを選ぶ。フロントで手続きを終え、部屋を確保した。値段は手ごろな1泊5500円。旅行第1日目は感じのよい部屋が確保できたことを嬉しく思った。

 夕飯は駅前横丁の赤提灯で食べる。年輩の夫婦で切り盛りをしている店だった。焼酎とクサフグとシシャモの干物を注文する。「突き出しです」とお上さんがジャガイモの入った味噌汁を出してくれた。「突き出しに味噌汁が出て来たのは初めてですわ」と言うと、親父さんが、「いや、これは唯の味噌汁ではないんです。まあ、飲んでみてください」と勧める。飲んでみると、何かコリコリした物が入っている。「何だか分かりますか。それは、鯨の皮ですよ。この辺りでは鯨汁と云って、鯨を入れた味噌汁を正月に作って飲む人が多いのです」と教えてくれた。豚汁ならよく作って飲んでいるが、鯨汁という山形県の郷土料理を味わうことができ、いい店に入ったと思った。人との出会いを楽しみに旅行をしているのだが、最初の日からツイテいるようだ。

 ヤキソバでお腹が満腹になり、ホテルに帰る。明日は、秋田に宿泊する予定だから、朝は少しのんびりできそうだ。朝早く酒田の町を見物しようかと思っている。かみさんに電話すると「あれ、会津若松でなかったの。なんで酒田なんかに泊まっているの。それよりも、今日の除雪作業は大変だったわ。今度はあんたが絶対やってよ」と怒りの声が聞こえて来た。「今度は除雪作業を手伝わなくては」と強く思った。






[ 2013/01/02 20:47 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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