水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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「青春18きっぷ」で冬の東北から北海道納沙布岬へ 4

第3日 青森県弘前~北海道洞爺     (奥羽本線・津軽線・津軽海峡線・江差線・函館本線)
  
 1月9日(火曜日)午前5時起床。外は雪が降り続いている。出発して3日目になるが、ずっと雪が降り続いている。北へ向かって旅しているのだから、当然といえば当然なのだろうが、雪の質も富山とは違ってサラサラしている。温度が低くなるということは雪も軽くなり、対処の仕方も違ってくるようだ。体調は完全に回復したようだ。いよいよ今日は北海道に入る。

 7時23分弘前発青森行快速列車に乗車する。6両編成でしかも対面型シートの列車だ。「大都会の通勤列車のようだ」と思っていたら、正にその通りになった。ぞくぞく通勤客が乗って来て発車する頃には車内は満員になった。東北の最北端で通勤列車が走っていることに青森は大都会なのだと認識を新にした。

 8時2分列車は青森に到着した。今日は青函トンネルの吉岡海底駅で下車し、青函トンネルを見学しようと思っている。そのためにはトンネル駅で停車する海峡号の指定席券を購入しなければならないのだ。みどりの窓口で840円を払って指定席券を購入した。
 
 時間があるので、朝食を駅前のレストランでとる。いろいろなメニューが並んでいるが、その中から豚汁定食を選び注文する。豚汁とたくわん漬と丼飯という味気ない定食だった。

 時間は早いがホームに出る。海峡3号快速列車を待つ客が待合室に座っている。ホームは冷たい風が吹きぬけ積もった雪は凍っていた。青森に来て寒さが増したように感じる。気温は零下何度なのだろう。発車時刻になってもまだ海峡3号は入ってこない。この雪で遅れているようだ。
 
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 やっと列車がホームに入って来た。5両編成の列車で、電気機関車が先頭になっている。ちょっと前まで特急列車に使われていたブルーの客車には、ドラえもんの絵が描かれている。子どもたちがこの列車に乗れば喜びそうである。「海底駅で下車する人は1号車に乗車してください」とアナウンスが入る。1号車に乗車したのは私を入れてたったの3人だった。
 
 9時25分海峡3号函館行快速列車は青森駅を発車した。青函トンネルは全長53.45キロメートルあり世界最長のトンネルである。このトンネル内には二つの海底駅がある。本州側の竜飛海底駅と北海道側の吉岡海底駅だ。海底駅があることなど少し前までは全く知らなかったのだが、時刻表を調べて行く中で発見し、どうしても降りてみたくなった。その希望ももうすぐ実現しそうだ。冬場は、竜飛海底駅は閉鎖されていて、降りることができなかった。竜飛駅の方が、見学施設が多いと時刻表には紹介されていたので少し残念だったが、吉岡海底駅で下車し青函トンネルの内部が見られることで胸が高鳴る気持ちだった。

 雪の津軽半島を列車は走り、津軽今別の辺りからトンネルが幾つも続き、長いトンネルに入った。青函トンネルに入ったのだ。ゴーオという騒音の中を列車はスピードを上げて進んで行く。闇の中に光る白い蛍光灯が後ろに流れて行く。「トンネルの壁に注目ください」と放送が入る。見ると、ドラえもんの絵がオレンジ色に光っていた。青函トンネルを宣伝しようとJRもいろいろ企画していることが分かる。

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 10時40分列車は吉岡海底駅に到着した。下車したのは私と2人の青年の3人だった。列車の出口に年配の駅員さんが立っている。我々を出迎えてくれているような雰囲気である。「ようこそいらっしゃいました。これから青函トンネルを案内します。よろしくお願いします」と丁寧な挨拶を受ける。あまりの丁寧さに恐縮してしまう。駅員さんに案内してもらいながらゆっくり海底トンネルの中を歩いて行った。

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 まず驚いたことは、本州と北海道を繋ぐ青函トンネルが1本ではなくて、全部で3本あることだった。列車が走る本坑、作業するために掘られた作業坑、トンネルを試掘する時に掘られた先進導坑の3本のトンネルである。私たちが案内されているのは作業坑だった。作業坑も大きなトンネルで工事の車が走っているのにはびっくりした。
 
 続いて驚いたのは、本坑を今列車が走っているが、新幹線がいつでも走れるように作られていることだった。レールの幅もすぐ広げられようになっていた。「公共事業の見直しが始まっていますが、新幹線が走るのはいつの日になるのでしょうか」と駅員さんに聞く。「現在青函トンネルは1日90本の列車が走っています。新幹線が走れば輸送力は大幅に増すと思うのですが、車社会になりましたからどうなのでしょう。青森と北海道を結ぶ橋を作るという話も聞きますから」と新幹線が走るまでにはかなり時間がかかりそうな話をしてくれた。
 
 青函トンネルは試掘から25年近い長い年月をかけて完成したが、威力を発揮したのがコンクリートの吹きつけ技術だったという話。コンクリートの厚さはトンネルの直径の3倍から5倍はあるという。30メートル近い厚さのコンクリートの壁で出来ているということに驚く。しかも今でもたくさんの涌き水があり、ポンプで汲み上げているという。海面下240メートルのトンネルの中にある水路を水が流れているのを見て、ポンプが止まればこのトンネルもすぐ水没してしまうのだと実感した。

 この駅に降りるまでは海底駅は観光のためにあるとばかり思っていたのだが、実は、この駅は海底トンネルで列車が火災や事故を起こした時に、非難するための施設として作られたことが駅員さんの説明を聞く中で分かって来た。1000人近い人が退避できる場所やトイレ、地上へ避難する階段、煙を排出する装置、火災を消火するスプリンクラー、壊れた列車を引き入れて修理する施設などが作られていた。しかし、今は観光施設としての役割もあり、長期の休みにはドラえもんの漫画映画やショウなどイベントを企画しているという話だ。水族館やステージ、機関車などの展示もあった。次の列車が来るまでの2時間はあっという間に過ぎてしまった。

 見学が終わり、一緒に見学した青年の1人に「初めて知ることが多くびっくりしました」と話し掛けた。「ここへ来たのは2度目です。以前と比べる施設が充実しました。私たちは、冬休みに京都・奈良へ旅行に出掛け、今から札幌へ帰ります」と話してくれた。もう1人の青年は自閉症の障害があり、この青年は付き添いの先生のようだった。

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 駅員さんに見送られて12時37分発函館行海峡5号に乗車。列車は暗いトンネルの中を走り始めた。「時速140キロで走っています」という駅員さんの話を思い出す。「この旅行の帰りもこのトンネルを走るのだろうか」そんなことを考えながら壁に光る蛍光灯を見つめていた。

 青函トンネルを抜け13時50分過ぎ函館に到着した。函館も雪が舞っている。14時4分発長万部行普通列車に乗換えなくてはならない。乗換え時間がほとんどない。広いホームを乗り場まで急ぐ。やっと列車を見つけて乗車する。1両編成の列車は満員である。ボックスシートに空いている所を見つけ、大きなリュックを棚に上げた。「すいません。席が狭くなりますが、いいですか」座っているおばあさんに声を掛ける。「どうぞ、どうぞ」気持ちのいい返事が返って来た。満員だったが席が確保でき一安心。
 
 ドアが締まり列車は発車した。「今の若い子どうなっているのかね」とおばあさんが私に話し掛けて来た。「どういうことですか」と私は聞き返した。「髪の毛を茶色や金髪に染め、耳に穴を開け、ついて行けないわ」とおばあさんは話し出した。「私も以前はそう思っていたのですが、形だけで若者を判断するのは間違いだと今は思うようになってきました。あのようなファッションをしている若者は、まだ自己主張がはっきりしていますが、最近の事件を見ると見かけは大人しくて、立派な青年と言われているような子が思わぬ犯罪を起こしていますから」と私は答えた。「病院の事件といい、一家惨殺事件といい、本当に残酷な犯罪がたくさん起きていますね。そちらの若い人はどう思われますか」おばあさんは、隣のシートの青年にも質問した。真面目そうな青年だった。「真剣に考えている青年もたくさんいるのですが、残念です」と青年は答えた。

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  見ると、青年は大きな時刻表を膝の上に載せていた。「旅をしているのですか」と私が質問した。「ええ、18きっぷで旅行中です」という返事が返って来た。私と同じ旅をしている人がいることに感激し、それからは私が話をリードして行くことになった。おばあさんも「この間沖縄へいってきたばかりです」と沖縄で見学した白百合の塔の話をしてくれた。青年は、広島から旅を始め、大阪、横浜、一ノ関、八戸そして今日は札幌へ行くのだという。「長旅には対面型シートの列車は疲れる」これが青年と一致した意見だった。列車の旅をしていて、出会った人といろんな話ができることは本当に楽しい。美しい形をした駒ケ岳や大沼の景色を見ながら、長万部までの3時間はあっという間に過ぎてしまった。
 
 17時20分列車は長万部に到着。青年と一緒に17時32分長万部発東室蘭行普通列車に乗換える。今日は昼飯を食べ損なったのでお腹が空いている。駅の売店で菓子パンを買って来た。青年は缶ビールを買って来た。青年との旅は私が下車する洞爺まで続きそうだ。

 青年は大学2年の時に北海道に遊びに来て、北海道の素晴らしい所に惹きつけられ、それから休みになると北海道でアルバイトをしていたという。そして卒業する今年、とうとう北海道で就職を決め、今から下宿する家を探しに札幌まで行くという話をしてくれた。その旅を「青春18きっぷ」を使ってする所がこの青年らしい面白いところだと思った。一昨年旅行をしていた時に、礼文島の民宿で働いていた青年が同じようなことを言っていたのを思い出した。北海道の自然や人の温かさなどに魅力を感じ、ここに住みつく人がたくさんいることを私も理解できるようになりつつある。今回、冬の北海道を旅行したいと考えたのも、自然の厳しさや美しさ・温かい人たちとの出会いを見つけにやって来たのだ。北海道の第1日目は、楽しい人との出会いがあり、幸先のよいスタートとなった。

 18時43分列車は洞爺に到着。青年と別れ列車を降りる。今晩は有珠山噴火で昨年大きな被害を受けた洞爺湖温泉に宿泊する予定だ。うまく宿が見つかるといいのだが。駅前で停まっていたタクシーの運転手に「今晩泊まれる宿を紹介して欲しいのですが」と頼むと「ああいいですよ。どうぞ乗ってください」と快く引き受けてくれた。場所によっては運転手に頼んでも「自分で探してください」とか「わかりません」と断わられることがあるが、今回はすんなり引き受けてくれた。噴火騒ぎで、独り者でも泊まれるくらい洞爺湖温泉はお客が少ないというのかも知れない。洞爺駅から雪道をぐんぐん上って行く。「あの白い煙が上がっているのが有珠山です」と教えてくれる。暗くなった空に白い煙が上がっていた。「この道も国道が通れなくなって新しく作ったものです。噴火口を観光の目玉にして宣伝を始めているのです。ぼちぼちお客さんが来ています」と話してくれた。

 運転手が紹介してくれた宿は、洞爺観光ホテルだった。とても大きなホテルで噴火当時テレビに映っていたような感じがした。ロビーで手続きを済ませる。「1泊2食付き御一人様8900円です。お食事は部屋へお持ちしますので宜しいでしょうか」支配人が丁寧に説明してくれた。2食付きで格安の値段。しかも、部屋で食事ができるとは旅館に泊まるようなサービスだ。部屋への案内にも私の大きなリュックを持ってくれ、恐縮してしまった。
 
 案内された部屋は洞爺湖に面していて、湖が一望できた。暗い水面に雪が舞い降りていた。しばらくすると係の女性が食事を持ってやって来た。「有珠山の噴火も治まったようですね」と聞く。「ええ、もう大丈夫です。お客さんも少しずつ増えてきていますから」と笑顔で答えてくれた。テーブルの上に豪華な料理がたくさん並ぶ。美味しい酒を飲みながら食べた料理は格別だった。食事が終わり風呂へ行った。数人客がいた。大きな風呂が幾つもあり、外には露天風呂があった。露天風呂に入る。冷たい雪が舞っている中で風呂に入るという贅沢な時間を過ごした。(格安で豪華な旅を体験したい人は洞爺観光ホテルへ出掛けてみては、どうでしょうか…)

 風呂から上がって、家に電話をした。「えっ、洞爺温泉で温泉に入って豪華な料理を食べているんだって。ちょっとそんな旅行が目的で北海道に行ったの!」また、かみさんの怒りの声が電話口から聞こえて来た。富山はまだ雪で大変なようだ。



 
[ 2013/01/05 08:18 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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