水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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「青春18きっぷ」で冬の東北から北海道納沙布岬へ 7

第6日 北海道釧路~北海道根室納沙布岬   (根室本線・根室交通バス)

 午前5時起床。頭が少しボーとしている。昨日飲んだ酒が少し残っているようだ。外は真っ暗だが月が見える。天気はよい。今朝は6時3分発の列車に乗らなくてはならない。手早く洗面を済ませ、荷物を整理して、5時40分ホテルを出発する。フロントは誰もいなくて真っ暗だった。道はガチガチに凍りついているが、昨日降った雪が薄っすらと積もり滑らずに歩ける。今回の旅行ではトレッキングシューズを履いてきたが、それでもよく滑る。靴の裏に簡単な金具を取り付ける方法もあると昨日教えてもらった。時間があれば靴屋で探してもいいなあと思った。
 
 6時3分釧路発「快速はなさき」根室行に乗車する。2両編成の列車に人はほとんど乗っていない。時間が少しあるので、ホームの自販機で缶コーヒーを買う。最近になって自販機に糖分抜きのコーヒー缶が並ぶようになった。そういう嗜好の人が増えているのだろう。発車寸前に中年の男性が2人のってきた。身なりがよく、胸にバッチも光って見える。会社の役員か、それとも議員だろうか。

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 定刻を少し過ぎて列車は発車した。辺りはまだ真っ暗である。人家はすぐなくなり、荒涼とした原野になった。6時半を過ぎて少し辺りが明るくなり始めた。列車が進む右側が東の空のようだ。紫色に空の色が変わって来た。海が見え始めた。穏やかな海である。幻想的な空と海の色の中を列車は走って行く。

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 景色は、氷の張った大きな湖の渕に変わった。海と湖が繋がっているようだ。湖にはかなり厚い氷が張っている。辺りは明るくなり、もうすぐ日の出だ。その時、氷の上を、荷物を引いて歩いている人を見つけた。不思議な光景だった。南極か北極の氷の上を歩いている人のように思えた。ここで訓練でもしているのだろうか。しばらくしてその謎が解けた。氷の上でテントを張っている人がいる。氷の上に座って何かを動かしている人の姿も見えた。魚釣りをしているのだ。零下何十度という寒さの中で自分の趣味を追い求めている人がいた。自分を見ているような気がした。

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 やがて太陽が山の間から顔を出した。真っ赤で大きな太陽だった。
 
 列車が走り出して1時間が過ぎた。根室まで後1時間。バッチを付けた中年の男性が席を立ち、歩いて行く。トイレにでも行くのだろうか。違っていた。タバコの煙がドアの向こうから上がっている。タバコを吸っているのだ。「この列車は根室まで禁煙になっています。ご協力願います」とワンマン列車のアナウンスは、駅に停まる毎に、繰り返しているのに、胸のバッチが泣くぞと思った。禁を犯し、タバコを吸って帰って来た男性の顔は笑顔に満ちていた。それならと、もう一人の男性も同じようにタバコを吸いに出掛け、笑顔で戻って来た。楽しくない風景だった。
 
 列車は原野を走り、8時11分根室に到着した。気温が低く、肌を刺す冷たさだ。道の雪が凍り付いて滑る。やっとのことで駅前のバスターミナルまで歩く。納沙布岬行バスは8時20分に発車する。乗換え時間が少ない。窓口で納沙布岬往復乗車券1800円を購入する。バスが来て乗車する。観光客らしい若者が1人いた。根室は雪が少ないようで、地面が見える所もある。納沙布岬までは23キロ、約40分の乗車だ。「北方領土返還」の看板が目に付く。国境の町ということがひしひしと伝わって来る。「歯舞漁協」という看板が立っている。「歯舞諸島」というのは今はロシア領になっているが、その名前が根室に生きていることに驚いた。

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 9時過ぎ、とうとう今回の旅の終点、納沙布岬に到着した。岬には冷たい風が吹いててた。空は晴れ渡り、白い波が立つ海の向こうに茶色で平らな陸地が見えていた。設置されている地図には水晶島と表示されている。ロシアとの国境がすぐ目の前にあった。
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 岬にある平和の塔には、歯舞諸島・色丹島についての歴史や写真・手記・子どもたちの作文などが展示されていた。「朝日に一番近い街ねむろ」とパンフレットにあるが、「国境に一番近い街ねむろ」であった。

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 「今、納沙布岬に着いた。国境が目の前に見える。今回の旅行もこれで終った。これから帰るよ」とかみさんに電話をする。「また、雪が降り出したから、こっちは大変だわ。早く帰って雪掻きをしてもらわないかんわ」と元気ないつもの声が聞こえて来た。

おわりに 

 この旅の帰りは次のようだ。納沙布岬から再びバスに乗り、根室へ。根室から釧路までは「快速はなさき」に乗車し、13時過ぎに釧路着。行きに乗らなかった釧路・帯広間は普通列車に乗車し、1月12日夜は、帯広駅前の温泉付きホテルで宿泊。

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 次の日は、帯広から十勝4号で南千歳へ、南千歳からスーパー北斗10号で函館へ。そして函館から寝台特急日本海4号に乗車し、1月14日の早朝、雪の富山に帰った。列車、バスを乗車した総距離は3276.5キロメートルだった。







[ 2013/01/08 08:11 ] ふらり きままに | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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