水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

団塊世代の親父のブログです。
水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記 TOP  >  神通峡かいわいの昔ばなし >  神通峡かいわいの昔ばなし  その7 畠山重忠伝説「サイの角」  富山市楡原

神通峡かいわいの昔ばなし  その7 畠山重忠伝説「サイの角」  富山市楡原

11150408_1476841379272533_2798912109089297231_n.jpg

その7 畠山重忠伝説「サイの角」 富山市楡原
 
建久(けんきゅう)三年(一一九二)源頼朝(みなもとのよりとも)は、鎌倉(かまくら)にばくふをひらいて、天下のせいじをとっていました。
ある年のことです。しょうぐん頼朝(よりとも)が、母のようにしたっていた方が、びょう気になりました。 
いしゃだの、くすりだのと大さわきをしましたが、やまいは重くなるばかりでした。ほとほとこまった頼朝は、日本で名の知られた、うらないしをよんで、みてもらいました。
「サイの角(つの)があれば、すぐにもなおりますが」と、いうのが、うらないしのことばでした。しかし、あつい南の国にすむというサイが、この日本のどこにいるというのでしょう。
頼朝は、けらいをあつめて、みんなのいけんを聞くことにしました。この時、畠山重忠(はたけやましげただ)というたいしょうがすすみ出て、「越中(えっちゅう)の国に流れる神通川(じんずうがわ)をさかのぼると、サイとよばれる、ふしぎなものが、住んでいると聞いています。さっそく、これをたいじして、その角を、じさんしましょう」と、もうしました。
頼朝のゆるしをうけた重忠(しげただ)は、神通川のおく、東猪谷(ひがしいのたに)の山々ふかく分け入り、草をまくらに、けわしい山の中を、サイをさがして、くるしい毎日をすごしました。
今日もまた、つかれた足をひきずって、とある谷あいにふみこみますと、一人のろうじんがあらわれ、「この谷にすむサイは、今まで、人にがいをくわえたことはありません。このようなものをうちころすのは、しょうぐんさまのごめいれいでも、むごいことだと思います。どうか思いとどまり、いのちをたすけてやってください」と、かなしげにかたりました。
重忠は、心のうちに、「人かげもないこんな山おくに、ろうじんが一人すんでいるのは、ふしぎだ。このろうじんの正体は、サイにまちがいない」と、思いました。
重忠は、自分の心のうちを気づかれてはこまりますので、うわべだけは、うなずいてみせ、帰るふりをしながら、こっそりと、この老人のあとをつけて行きました。
ろうじんは、はっとする間もなく、このみずうみに、みをひるがえしてとびこみました。ろうじんは、みるみるサイの正体をあらわして、そこふかくしずんでいきます。重忠は、「しめた!」とよろこび、いそいできものを、ぬぎすてました。重忠は、一刀(いっとう)を口にくわえて、ザブンとばかり、サイの後をおいました。
水のそこでは、ランランと目を光らせて、サイがまちうけていました。しかし、東国一といわれたごうもの、重忠は、少しもおそれません。たちまち、すさまじいあらそいが、まきおこりました。
けれども、さすがのサイも、重忠の力にかてません。やがて、美しいみずうみをまっかにそめて、サイの大きな体が、水の上にうかびました。重忠は、サイの角を切りとると、さっそく鎌倉(かまくら)にむかい、サイの角をとどけました。
しかし、せっかくとどけられたサイの角も、さっぱりききめがあらわれず、びょうにんのやまいは、いっそうわるくなり、とうとうなくなってしまいました。
頼朝は、うたがいぶかい人でしたので、重忠がニセのものをもって来たのだと思い、サイの角を重忠につきかえしました。それでも、頼朝は、はらの虫がおさまらなかったのでしょう。きゅうに、うっ手をむけて、武蔵(むさし)の国の、二股川(ふたまたがわ)というところで、ちゅうぎな重忠を、せめころしてしまいました。
重忠の子、六郎(ろくろう)は、うちよせるてきの目をくぐって、越中(えっちゅう)の国へ、のがれて来ました。
六郎は、父のいこつを楡原(にれはら)にほおむり、父のことばをまもり、だいだいつたわるカブトと、父がサイの角にきざんだ「三帰妙王」(さんきみょうおう)というほとけさまをもって、楡原にお寺をたて、父のれいと、サイのごしょうをとむらいました。
これが法雲寺(ほううんじ)といわれ、その後、このお寺は、上行寺(じょうぎょうじ)と名前をかえました。

民話出典「猪谷むかしばなし」
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム