水彩画で綴る  細入村の気ままな旅人 旅日記

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神通峡かいわいの昔ばなし  その12  狐に化かされた山伏  富山市蟹寺

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その12  狐に化かされた山伏  富山市蟹寺

むかし、山伏がでかいホラ貝を持って、昼もまだ早いのに、蟹寺からとなりの加賀沢に向かって歩いて行ったと。
とちゅう、大坪谷のカケハシ(懸橋)にさしかかると、狐がひるねしとったがいやいとね。こりゃ少しおどしてやれと思うて、そっと狐の耳へ近づいてホラをプーと鳴らしたら、狐はびっくりして山へにげていったとお。
そして山伏がちょっと一休みしておったところ、おっかしいことに、まだ日中みたいがに、くらく日が暮れかけてきたとお。 こりゃ、どんながか、よさる(夜)になったし、いごけん(動けん)ようになった。どこかで泊めてもらわんならん、と思うて、切込谷ちゅうところに行ったらまっくらになったと。
そこは、村の石灰焼きする仕事場で、山伏はこりゃまあどこか泊まるところがないかと探しておったら、一軒家があったと。
「こんばんは」というと、家からおばあさんが出てきた。
「ひとつ今夜は泊めてもらいたい。もう日が暮れていごけんようになったから」
山伏が頼むと、
「泊まられてもええけど、わしのおじいさんが亡くなられて、棺(かん)に入れて座敷の仏(ほとけ)さんの前に飾ってある。わしもここでちょっととなりに用に行きたいがで、それでもよければ泊まってくだはれ」とおばあさんがいうたと。
「ええ、困っておるで泊めてくだはれ」といって山伏は家へ入ったと。
おばあさんが外へ出ていって、山伏はいろりの縁(ふち)で火をたいておったら、奥からミシッ、ミシッと音がしてくるがやと。
おかしいおかしいと思っていたら、座敷の戸がすっと開いて、棺の中のおじいさんがひとりで出てきたちゅがやちゃ。それを見て山伏は「やっ」とびっくりして、いろりの縁でひっくり返ったと。
ひっくり返って、しばらくして気がつくと、コチコチと石を割る音が聞こえてきたと。
それは石灰焼き場の人夫(にんぷ)たちが仕事する音で、辺りはまた明るくなり日がさ
してきたと。
そこで山伏も「あんまり生きものにいたずらちゃできんもんだ」と思ったがやと。
民話出典「細入村史」からの再話
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プロフィール

細入村の気ままな旅人

Author:細入村の気ままな旅人
富山市(旧細入村)在住。
全国あちこち旅をしながら、水彩画を描いている。
旅人の水彩画は、楡原郵便局・天湖森・猪谷駅前の森下友蜂堂・名古屋市南区「笠寺観音商店街」に常設展示している。
2008年から2012年まで、とやまシティFM「ふらり気ままに」で、旅人の旅日記を紹介した。

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